Vol.235ユニバーサルデザインの視点に立つ道徳科授業づくり

今、求められる道徳教育 「特別の教科 道徳(以下「道徳科」という)」は、社会の変化や子供の心の問題を背景に、答えが1つでない道徳的課題を児童一人一人が自分自身の問題と捉え、向き合う「考え議論する道徳」への転換を図るため教科化されました。変化の激しい社会で多様性を生かしながら子供の心を豊かに育むために、一人一人を尊重し、学級全体で学び合うユニバーサルデザインの視点を生かした指導の工夫が有効だと考えます。 そこで、これまで数多くの実践がなされてきた授業のユニバーサルデザイン(以下「授業UD」という)の視点を生かしながら、一人一人が学習に参加し「考え議論する道徳」を実現するための道徳科授業づくりについて考えていきたいと思います。 道徳科特有の授業UDの指導の工夫 授業UDは小貫ら(2012)や日本授業UD学会によって図1のような構造化モデルが示されています。  
図1 授業UDモデルの図(小貫らが提示したものを筆者が整理)
  次に、各教科と道徳科の指導における授業UDの有効性などについて神奈川県A市内の小中学校教員の意識調査を実施したところ、道徳科特有の授業UDとして、「自分化」「選択化」「受容的学級風土」の3項目が抽出されました。 生活教材「ぼく」を生かした2年生の実践 授業UDの指導の工夫6項目(焦点化、展開の構造化、スモールステップ化、視覚化、身体性の活用、共有化)に道徳科特有の授業UDを加え、実践を行いました。
学年:第2学年 主題名:かけがえのない自分が好き 教材名
  • 「ぼく」(東京書籍「新しい道徳」)
  • 「ぼく」(教育画劇、竹田まゆみ 著、渡辺有一 イラスト)
本時のねらい 登場人物の好きなものや、支える人・物との関係から、その根底にある自分というかけがえのない存在について考えることで、生命の大切さについて考えを深める。
 
表1 教材「ぼく」を活用した学習展開概案
  「ぼく」について、好きなものや周りの人たちとの関係を図式化することで、視覚的に捉えやすくなります。また、身近な生活教材から自分との重なりを感じられるようにすることで、自分事にする考えを促します。
相模原市立淵野辺東小学校
山田良恵