Vol.057「教育の日」を知っていますか?②「教育の日」制定の意義と今後について

2016.11

57_pic_01  「教育の日」の制定について、全国退職校長会の大野幸男先生にお話を伺いました。
「『教育の日』は、全国退職校長会が1年に1日でもよい、国民一人ひとりが個人もしくは仲間や地域の人々と今日の教育のあり方を考える機会になるよう、平成8年より制定を目指して働きかけを行ってきたものです。

 その背景には『21世紀を展望した教育の在り方』について国での審議が進み、主体的に生きる力を備えた心豊かな日本人の育成を目指した教育の姿が明らかになる中、教育の重要性についての各界・各層の認識が不十分であり、教育関係者への尊敬の念が薄れてきていることがありました。」

 そして、「『教育の日』とは、『こどもの日』に子どもの健やかな成長を国民全員で願うように、わが国の教育の一層の振興を国民全員が共に考える日として、『教育の日』の制定を呼びかけているのです。」とおっしゃっていました。

 また、「世界的にみるとインドネシアとポーランドが『国民教育の日』を制定しているものの、その他の国では該当するものはみられず、「教育立国日本の建設」を目指す上でも、『教育の日』の制定は非常に意味があることなのです」と「教育の日」の制定の意義についてご説明くださいました。

 そして、約20年の歳月をかけ、各自治体に働きかけを行ってきた結果、平成27年12月現在、35都道県、102市、61町、10村、1区が「教育の日」を制定するまでに至り、昨年より国民の祝日として「教育の日」を制定すべく、要望書の提出を行うなどの働きかけを始められたそうです。

 しかしながら、現在制定されている「教育の日」については、まだまだ認知が十分にされているとは言いがたく、また、そこで行なわれている内容についても講演会や学校公開など、画一的な行事を行っているのみで、十分に「共に考える」とは言い難いのが現状のようです。そのため、「今後は『教育の日』の充実についても考えていきたいと思います」と今後の展望についてもお話くださいました。

 大野先生のお話をお聞きし、「教育の日」に込められた熱い想いやこれまでのご苦労を感じました。では、現場では実際どのようにこの日が捉えられているのでしょうか。現場の先生のご意見を紹介することにします。

NPO法人東京学芸大こども未来研究所研究員
高畑美希
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