学校では、様々な授業場面で「グループ活動」を行います。一人で考えを深めるには限界があり、多くの人が関わりそれぞれの視点で考えたことを交流することで、より学びが多様なものになり、深まっていくからです。しかし、何でもかんでもグループ活動では、「活動あって学びなし」に陥る危険性もあるでしょう。
本稿では、グループ活動を行うことが比較的多い総合的な学習の時間での、グループ活動を行う上でのポイントについてお話ししたいと思います。
①グループ活動を行う必然性に沿っているか。
当たり前の話ですが、教師の都合でグループを組織して授業展開を行うのでは、子どもにとってなんら学習の必然性はありません。単元の学習展開の全体を見通した上で、どこにどのようにグループ活動を位置づけるのか検討し、効果的に位置づける必要があります。
②子どもの関心事とグループメンバーの関連を考慮しているか。
グループ活動では様々なグルーピングが考えられますが、大抵の場合は子どもの関心事を中心に組織すると思います。とは言え、単純に子どもが「〜がしたい。」と言ったから、グルーピングするのではなく、話合いなどを通じて表面的ではない子どもの思いや願いを丁寧に見取る事が必要でしょう。
見取りについては、グループ活動に限ったものではなく、様々な学習場面で使える教師の手立てです。子どもの発言や文章だけでなく、つぶやきや仕草などの無意識に外に出たもの、さらには休み時間の様子や家庭での様子なども含めて子どもの事実を集め、それをつなぎ合わせて子どもが学習に何を思い、どのような願いをもっているのかを丁寧に読み取っていきます。
③グループ⇔学級全体の往還を意識した学習展開になっているか。
グループごとに学習を進めていくと、活動が拡散し、お互いがどのような活動を行っているのか、関心が薄くなっていきます。それぞれのグループの活動の進み具合を伝え合ったり、困りごとを全体の場で出し合ったりすることで、違うグループの活動にも関心をもち、学級全体としての活動の高まりにつながっていきます。
写真は、商店街のお店と関わる活動でお店ごとのグループが、見学で明らかになったことと今後の関わり方についてまとめたものに、他のグループの子どもがコメントを付けている場面です。言語活動も取り入れることで、グループ活動の活性化を図る工夫にもつながります。