Vol.186出前授業を活用する②
「社長のなり方講座」で伝えたいメッセージ

 「社長のなり方講座」を企画・運営している株式会社イニシャルは、社会人向けのビジネス講座提供を主事業として営んでおり、「社長のなり方講座」は新社会人教育の応用として生まれました。まだ社会で働くことへのリアリティがない世代に対して、社会の”楽しさ”と”厳しさ”を伝えることがメインテーマです。

 この講座の特徴は、社会で起こるリアルな営み、それをどのように乗り越えてきたかということを物語るところにあります。「社長になるのが偉い」という話をするわけではありません。講師は、それぞれに経験してきたつらい過去や熱い想いをストレートに話すことで、自分の生き方を生徒と共有することを大切にしています。担任の先生からは「教師では絶対に伝えられない話をしてくれた。真剣な顔で授業を聞いていたのは、刺さる話が多かったからだと思う。」とフィードバックをもらい、また生徒からは「社長も高校時代は僕らと同じだったんだ。」「好きなことをやるには社長になるという選択肢もあるんだ。」「働くってつまらないと思っていたけど、違うんだ。」という感想をもらっています。「社会は楽しいが厳しい。君たちはもう一つ大人にならないといけない。」というメッセージを、各講師が真摯に話すところにこの講座の真価があると考えています。

 「昔は子どもたちに厳しい話をする大人が多かった」と聞くことがあります。私たちはそれを出前授業で行っていると感じていますし、生徒が現実の厳しさについてより切実感を持てるようになるためには、学校外の社会で生きる人だからこそ伝えられることがあるのだと考えています。

 私たちは幼い頃から大人に、「将来は何になるの?」と聞かれる機会が多かったのですが、大切なのは職業に就いた後だと考えています。「それぞれが社会の中で、自分らしく夢を実現するには何をすべきか」、この問いに自ら立ち向かい、生涯にわたって考え続けることのできる生徒の姿を「学校と協働して」醸成していくこと。出前授業という授業形式に課題が無いわけではありませんが、様々な企業の持つメッセージや人的資源を活用し、学校と企業とが一丸となって生徒の学びをデザインしていくことこそ、これからますます注目される「学びの進化」に向けた一つの方法ではないでしょうか。

 次回は「社長のなり方講座」の舞台裏を紹介します。

株式会社イニシャル 代表取締役
駒谷 誠
pdfをダウンロードできます!