今、教育の動向をめぐる情報が、新聞等に頻繁に掲載されています。その中でも特に目につく言葉が「アクティブ・ラーニング」です。「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」(平成26年11月20日中央教育審議会文部科学大臣諮問文)によると、「何を教えるか」という、知識の質や量の改善はもちろんのこと、「どのように学ぶか」という、学びの質や深まりを重視することが必要であり、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習」をいわゆるアクティブ・ラーニングと言っています。
【香川・土庄小学校 学校図書館で読書】
学校は、今後さらに、児童生徒のたくさんの「なぜ?」「どうして?」を掘り起こして、解決の道筋を教えなければならなくなるでしょう。では、このような学びを支えるのは誰なのか? 私は、その役目が学校図書館にあると確信しています。
学校図書館は、学習・情報センター、読書センターとして、児童生徒の学習活動や教員の授業づくりを支援することが求められています。高度情報化社会・生涯学習社会など急激な社会の変化の中では、“生きる力”の育成が問われており、子どもたちにとって必要な資質・能力として言語力が位置付けられてきています。現行の学習指導要領には、読書や学校図書館の活用が明記されていて、同時に、現在使われている教科書には、随所に図書の紹介や学校図書館を使った活動が取り上げられています。また児童生徒の「なぜ?」「どうして?」を生み出す意欲・興味・関心は、豊かな感性の中から生まれてきます。読書センターである学校図書館の良き読書環境が、そのような豊かな感性を育む支援を行っていくことが大切なのです。
【香川・豊島中学校 タブレットで課題解決】
私は、アクティブ・ラーニングを進める学びの中心に学校図書館を位置づけ、その機能を最大限に活用して欲しいと願っています。
これからの連載の中で、学校図書館の具体的な活用法を提案していきますので、どうぞお楽しみに。
東京学芸大学特命教授
對崎奈美子
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