Vol.104学校図書館を使って、高いレベルの情報収集を①
社会科で自分たちの住んでいる場所を調べるとき

 今回は小学校の社会科を中心にして考えてみます。社会科では、従来から児童が住む市区町村、都道府県、そして日本という順番で、学年ごとに範囲を拡げながら、その地域の特色や文化を考えさせます。この点は、次期学習指導要領でも変わっていません。どこの地域の学校でも、この課題に取り組まなければなりません。こうした課題を考えるときに、学校図書館を使いながら、高いレベルで情報を集めるにはどうしたらよいでしょうか。

 この課題を考える時には、各児童用のタブレット端末は、必ずしも必要ではありません。しかし、できれば1台、インターネットにつながるパソコンかタブレットがあることが望ましいです。教師が授業を準備するときに見るためのものです。ただ、インターネットを見るときは、グーグルなどの一般的な検索サイトで、やみくもに調べないでください。いろいろなサイトに出会うことはできますが、信頼できないサイトや、古い情報が載ったサイトも少なくないからです。信頼できるサイトの調べ方を知っておく必要があります。

 学校司書や司書教諭がいる学校では、その人たちにどのような本やサイトで、必要な情報が得られるのかを尋ねてみてください。もしそうした人がいなければ、たとえば東京学芸大学附属学校の司書さんたちが作っている「先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース」を見てみてください。このサイトは、平成28年のLibrary of the Year 2016で優秀賞とオーディエンス賞をとっており、信頼できるサイトです。このサイトを探すときには、グーグル等を使ってもかまいません。すぐ見つかるはずです。このサイトの「授業事例を探す」をクリックすると、「事例検索」のページが開きます。そこのキーワードに「地域」や「地図」を入力すると、いくつかの関連する本などの資料や、授業事例が出てきます。このデータベースが優れているのは、資料と授業との具体的な組み合わせ方がわかることです。もし教師の数が少ない小さな学校で、相談する人もいないような環境であれば、こうした信頼できるサイトを見ながら、社会科の授業を構想することもできます。このサイトには、メールによる問い合わせもできるようになっているので、どのようなところに住んでいても、連絡や質問ができます。お金もかかりません。こうした点がICTを利用するメリットです。インターネットにつながった1台のコンピューターを活用することで、子どもが1人1台のタブレット端末等をもっていなくても、高いレベルの情報を得ることができるのです。

 このように学校図書館に関するサイトを利用して、良質な本を探すのが望ましいですが、その本自体が学校図書館にない場合、まず考えるのは公立図書館にその本があるかどうかです。それでもない場合ですが、県立図書館が、各公立図書館に図書の相互貸借をしているケースが多いのでそれを活用しましょう。図書館が図書館に本を貸し出す仕組みです。近くの公立図書館を通して、県立図書館に問い合わせをすることができます。都会から離れていても、インターネットや図書館の仕組みを使うことで、良質な情報を手に入れることができます。

デジ読評価プロジェクト
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