CREDUON

Vol.119運動部活動のあり方を考える③
運動部活動のこれから

 将来的には、学校から部活動は存在しなくなるのかもしれません。子どもたちのスポーツ活動は地域や民間に委ねられ、自発的意思に基づき、選択されるようになるのかもしれません。それが日本の未来にとって適切なのかどうかは、今の私には分かりません。しかし、今の中学校現場において、部活動の教育的意義ははかり知れないものがあり、部活動がなくなることは今のところ想像ができません。また、全国大会等に代表される部活動における「競争の原理」は、部活動を肥大化させてきた要因の一つではあると思いますが、一概に否定できるものでもないと考えます。なぜなら、勝ち/負けがあるのがスポーツであり、本気になって勝利を目指して取り組むからこそ味わえる楽しさがあると思うからです。

 そこで、私は既存の部活動のシステムを基本とし、今回示されたガイドラインにしたがって、各学校で量的・質的な転換を図っていくことが、これからの日本の部活動の新しい形を構築していく上での第一歩であると考えます。まずは「やってみよう」ということです。  特に、今回のガイドラインに示された「部活動指導員」は、これまでも認められてきた所謂「外部指導員」とは異なり、学校の職員として採用されるという新たな取組です。「外部指導員」は、教師の負担軽減や生徒や保護者のニーズに応えるという観点から一定の成果が認められる一方で、指導観や教育観の違い等から顧問と折り合いがつかなかったり、生徒や保護者とトラブルになったりすることが少なくありませんでした。「部活動指導員」に関しても、同様のトラブルがないとは限りませんが、学校の職員である以上、そのリスクは減るのではないかと期待しています。

 また、活動の制限に関わる部分に目がいきがちですが、見過ごしてはいけない重要な視点が示されています。それは、「生徒のニーズを踏まえた運動部の設置」です。所謂二極化傾向が指摘されている現在、競技志向ではないレクリエーション志向で活動ができる場所が設置されることは、生涯スポーツの観点からも極めて重要な意味があると思います。

 部活動の顧問は引き受けて当たり前という風土を変えていくことも、行政や管理職の理解や力も借りつつ、教職員間のみならず、地域や保護者に対しても、草の根レベルで地道に啓蒙していく必要があります。実はここが最も根深い問題なのかもしれません。しかし、生徒同様、顧問についても自発的意思で決定されて然るべきものだと考えます。

 私は採用以来、バスケットボール部の顧問を務めています。生徒にも「頑張って良かった」という思いをさせてあげたいと思い、かつては休みなどなく練習していました。しかし、前2回の冒頭で紹介したエピソードや、自身の研鑽を通して、ここ数年では、勇気をもって最低週2日の休養日を設けることとしました。手前みそですが、以前よりも効果的で生産性のある指導ができるようになったと実感しています。

東京都中野区立緑野中学校主幹教諭 土屋太志
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