Vol.229実験をやっただけではALにはならない。
金属イオンの定性分析をつかって

1 目的
 理科では実験さえすればAL(アクティブ・ラーニング)が成立するというわけではありません。「作業ありて学びなし」となってしまうからです。知識を使って実験を計画し、実際に実験をやってみて、結果から計画が正しかったことを証明したとき、知識定着が伴うALが成立します。実践例を紹介します。

2 高校化学「金属イオン定性分析同定」
 ある水溶液には、次のA・B・C・Dの金属イオンが含まれています。これらに、○・△・□・◇を加えると、沈殿したり、色がついたり、沈殿したものがとけたりします。
 沈殿物とろ液をろ過という操作を使って分けることで、全ての金属イオンを化学反応によって分けることができます。それぞれA・B・C・Dを同定するための実験もできますが混ざったままでは確認できません。

各金属イオンに対する試薬の反応

3 計画する
 水溶液の中のA、B、C、Dを、○と△と□と◇を使って、すべて分けられる順番を考えましょう。答えは次に示すフローチャートに書きましょう。ただし、環境保護の観点から、操作はできるだけ少なくします。

計画は1種類しか成立しないはずです。

4 確認実験をする
 計画に基づいて、4種類すべてを含む水溶液を、2の情報と3のフローチャートを使って実験します。実際に自分で計画した実験を自分で試すので、4種類の金属イオンを分けることができます。

5 チャレンジしよう
 ここからが探究です。混合溶液を用意しました。この混合溶液にはそれぞれ、A・B・C・Dが1〜4種類含まれています。4の経験を活かして同定します。

Fig.1 実際の様子。理科が苦手でも必ずできます。

6 知識定着が伴う実験を
 2~5までの計画に基づいて授業を展開すると、知識を使って組みたて、確認実験をし、答えのわからない実験にチャレンジすることで、知識を定着させることができます。ALは活動をさせるだけが目的ではありません。「やってみないと分からない。やってみれば忘れない。」これがALの本質です。

東京都立清瀬高等学校
岩渕寛
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