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Vol.083道徳科の特質をふまえた「主体的・対話的で深い学び」とは?①
道徳科では「主体的」が重要

 平成32年より、新しい学習指導要領が実施されます。それに先駆けて、「特別の教科である道徳」は平成27年4月1日から移行措置として、その一部又は全部を実施することが可能となり、平成30年4月1日から全面実施となります。今回の学習指導要領の改訂は、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」という3つの方向性が大きな特徴であり、この中で、「どのように学ぶか」は「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善のことです。では、道徳科における「主体的・対話的で深い学び」とは何なのでしょう。

 学習指導要領解説の中で、道徳科は「自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習」を行うとなっています。つまり、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てるのです。つまり、自分を深く見つめることが大事なのです。そして、その方法の一つが「主体的・対話的で深い学び」であるといえます。

 「主体的」には、興味関心をもつ、見通しをもつ、根気強く考える等、自分を見つめることと結びついているイメージがありますが、「対話的」には、他者とのかかわりの中で自分の考えを主張し合ったり、互いの考えを比べたりする他者との議論というイメージがあります。

 では、他者との議論で道徳性は育つのでしょうか。この問いに、元東京都小学校道徳教育研究会会長の後藤忠先生は、「他者と考えを交流し、自分の考えを修正したり自信をもったりする学習活動は必要であるが、それは『話し合い』『語り合い』であって議論ではない」と述べています。

 特別の教科 道徳で、自分を深く見つめるために大切にしたい対話とは、他者との語り合いとともに、自分の生き方(過去の体験、現在の思い、将来の希望)の中の課題について、深く感じたり考えたりする「自己との対話」なのです。

東京都昭島市立武蔵野小学校副校長
星野典靖
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