SDGsに関する学びは、全て教科横断的な学びが求められると言っても過言ではないと思います。17の目標を見てもらえればイメージがわくと思いますが、一つの教科等だけ(例えば理科だけ、社会だけ、道徳科だけ)で扱うのが難しいものがほとんどです。教科横断的な学びは、他国と比べると日本ではまだ不足しており、日本の教師はそうした学びを促すことがあまり得意でないとも考えられています。SDGsのための教育を実践する中で、子どもたちも教師も自然に、必然性を感じながら教科横断的な学びの力がつくことが期待できます。
そして、SDGsのための教育は、探求的な学びを自然に促すことになります。SDGsについて教材化された知識を身に付けることも必要ですが、それに留まらず、子ども自身が知りたいと思ったこと、疑問に思うことを探求していき、考え、まとめていくというプロセスが必要かつ重要だと思います。
SDGsに関する学びは、自分の住んでいる地域について学び、世界について学ぶという両方の側面が含まれます。例えば街づくりや健康について、自分の地域の課題解決に役立つような国内外の取り組みを調べて、地域のために提言するという学びが考えられます。その学びのプロセスで、地域のことも世界のことも知り、考えることになります。最近では「グローバル」と「ローカル」という言葉を合成して、「グローカル」な視点とも言われています。SDGsのための教育によって、グローカルな視点が養われることが期待できます。
SDGsは、世界中が取り組んでいる目標というところにも特徴があります。他の国の人も達成を目指している目標だということを理解することで、よりよい世界の実現を担う一員として、世界中の人に思いを巡らせたり、仲間意識を感じたりしやすいでしょう。インターネット等を使って小中高校でも他国の人と交流する機会もいよいよ増えてきました。SDGsに関する学びを様々な国の人と共有する機会を設けるのもよいのではないでしょうか。