CREDUON

Vol.110学校図書館を使って、高いレベルの情報収集を③
「学校図書館マインド」で道徳教育の情報を集める

 周知のように次期学習指導要領では、道徳が「特別の教科」となりました。また数値ではなくて記述式とはいえ、教員は子どもたちを評価しなければならなくなりました。道徳教育は、学校間の違いや教員間の違いがかなりあり、扱いが難しいとされていました。しかしその是非はともかく、今後は多くの教員がより積極的に関わることが求められています。とはいえ、たとえば都市から離れていて、教員数が少なく、道徳教育に詳しい専門家にもなかなか会えない学校では、道徳の授業をどのように構想したらよいのでしょうか。今回もまた、インターネットにつながった一台のパソコンしかない状況で考えてみます。

 道徳の授業を考えるための情報収集も、本来、学校司書や司書教諭の仕事です。ですが、詳しい人がいなければ、グーグル等でかまいませんから「文部科学省 道徳」というキーワードで検索をしてみましょう。すぐに様々なサイトが見つかります。「読み物資料集」というサイトでは、文部科学省が発行している資料集を、パソコン上で読むことができます。ただし、注意しなければならないのは、道徳は価値観に関わる教科だということです。そのため多様な視点から考えることが必要です。

 道徳教育についての多様な視点や、多様な授業方法を知りたければ、国立情報学研究所が運営している「CiNii Articles」というサイトを見てみましょう。これも検索すれば、すぐ見つかります。このサイトは主に、雑誌に載せられた日本語の記事を見つけるための専門的サイトですが、誰でも使うことができます。試しに「道徳教育」というフリーワードで検索をすると、5971件の論文が見つかりました(2018年4月現在)。そのすべての論文がパソコン上で読めるわけではないのですが、「機関リポジトリ」や「J-STAGE」という印が付いている論文は読むことができます。

 もちろん、道徳教育について調べるために、公立図書館等のサイトを使ってもよいですし、論文ではなくて本の検索をしてもよいのです。しかしこの「CiNii Articles」を使うと、道徳教育についても、いかに多様な研究が行われているかを実感できます。限られた機材や時間であっても、多様な情報を集められることを知ってもらいたいと思います。

 最後に、繰り返しになりますが、インターネット上には、信頼できない情報も数多くあるということを、常に意識しましょう。何が信頼でき、何が信頼できない情報かを見きわめるのは、本来は学校司書の役割です。学校司書は単に本を管理する人ではありません。先生や子どもの要望に応じて、必要な情報を見つけ出すことも、重要な役割です。学校司書がいない場合も、この3回で述べたような基礎的な知識と、質の良い情報を見つけようという「学校図書館マインド」があれば、どのような環境であろうと、最先端の情報を手に入れることは可能です。

デジ読評価プロジェクト
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