Vol.150朝鑑賞でカリキュラム・マネジメント②
授業が明らかに変わった教科の授業、校内研修のあり方

 子どもたちがわくわくしながら、ゴクリと唾を飲みこんで迎える授業。そんな授業が各教科で展開されるようになりました。

 例えば、保健体育科・創作ダンスの単元では、朝鑑賞で使用した絵画作品を題材に、グループでまず情景を考えます。その情景に今度は動きをあてはめます。どんな音楽がふさわしいかイメージを考えます。こうして、試行錯誤し、創作ダンスの作品にしていきます。これには、近隣の県立高校で舞台芸術を専門に学ぶ高校生もゲスト・ティーチャーで加わり、社会に開かれた教育課程が具現化されます。

 また、社会科の授業では戦国時代をテーマに調べ学習を行い、とことんテーマを追究します。事実の積み重ねから課題を明らかにしたのち、「もしもこのとき違う歴史的事実があったら?」と補充・深化の時間を活用してパラレルワールドに挑戦します。正解のない学びに最適解・納得解の考え方を学んでいきます。

 こうした授業のあり方は、朝鑑賞という手法を使って、見えないものを心の目で見る取り組みを重ねているから可能になっていると感じています。子どもたちが主体に「学びの地図」を描き、自ら学習を進めていく醍醐味を味わっています。生徒が「やりたくなる気持ち」になったとき、授業はひとり歩きするのです。教師は、授業のファシリテーターとなり、生徒の学びを支えます。自ら歩んでいく「楽しみ」に、知的好奇心がくすぐられ、学びに向かう力が大きく高まりつつあります。

 これを支えるのが「教師が変わる・授業が変わる」を合い言葉に、毎週金曜日の1校時に行っている研修部会です。週に一度、中学校で教科を超えて授業のことについて考えていく時間の設定です。この定例の研修を積み重ねてきたことで、グーンと授業のことを職員室で話題にする機会が増えました。メンバー構成は様々な教科から。なぜ、このチーム構成かというと、教師の持つ専門性を連関させ、総合化させることが、子どもたちの「個性」を生かし、伸ばしていくことにつながると考えたからです。

 始めた当初は、「他教科のことはよくわからない」等、それぞれの意見がかみ合わず苦しい思いもしました。しかし、新しい学習指導要領では子どもにつけたい力が揃いました。すべての教科が3観点になったのです。このことを足がかりに、そして、全員が取り組む「朝鑑賞」をベースに授業改善について、チームで考えるようになりました。今年度は<ミカジマ学びデザインプロジェクト>生徒が学ぶ楽しさを味わい、資質・能力を高めるスタディプラン~do subject(教科する授業)のテーマで子どもが進んで学びたくなる授業への挑戦をチームで取り組んでいます。

所沢市立三ケ島中学校 校長 沼田芳行
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