Vol.236豊かな授業をつくる学習課題の提案

 2022年度入学生から年次進行で実施された高等学校学習指導要領において、数学の目標は次のように示されています。

 数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を通して、数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
  1. (1)数学における基本的な概念や原理・法則を体系的に理解するとともに、事象を数学化したり、数学的に解釈したり、数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
  2. (2)数学を活用して事象を論理的に考察する力、事象の本質や他の事象との関係を認識し統合的・発展的に考察する力、数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現する力を養う。
  3. (3)数学のよさを認識し積極的に数学を活用しようとする態度、粘り強く考え数学的論拠に基づいて判断しようとする態度、問題解決の過程を振り返って考察を深めたり、評価・改善したりしようとする態度や創造性の基礎を養う。

 私は、学習の繋がりを実感できる授業を展開することを目指し、グループでの活動を取り入れたり、図や表、グラフなど思考を可視化するツールを活用したりしてきました。これらは、問題理解や試行錯誤を支える過程で有用です。加えて、「できた」「解けた」で生徒の活動を終わらせないことも重要です。解けた問題を分析してみることで新たな気付きが得られるからです。
 数学Ⅰの「数と式」で学習する因数分解について、ボール紙で作ったタイルを使って、問題を面積図で考える実践を紹介します。タイルによってイメージ化された思考をもとに問題を考察します。途中でタイルに戻ることができるので、思考を整理することが可能です。既習の知識・技能を活用して多面的な考察をすることで、理解の質を高めることができます。

タイル図

 生徒の「これならできそう」「あー、そういうことだったのか」から、達成感以外にも多くの要素を見出せます。教科書の例題をそのまま提示するだけでなく、「なぜ?」「これってどういうこと?」を問うことで思考が深まり、数学的な見方・考え方を育むことができます。教材の新しい見方や活用の方法を探して、学習を楽しむ時間を生徒と共有してみてはいかがでしょうか。

[引用]
文部科学省(2018)『高等学校学習指導要領』

静岡県立清水西高等学校
石井里枝
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