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Vol.011学校行事と生きる力③学校行事が「生きる力」をどう高めるか?③

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■ これまでにこんなことが見えてきました
 SEASを通して学校行事を分析することで以下のようなことがみえてきました。

「行事等への取組 と 学校の愛着度」
 一般的には、学校行事への取り組み具合や満足度などと、学校への愛着・帰属意識の聞には高い相関関係を見ることができるのですが、その一方で、進学校と呼ばれる学校であっても、特に新興学校のような学校の場合は、なかなか行事と生徒の学校愛着が結び付かないという結果が出てきたりすることもあります。学校への帰属意識との関係でいえば、特に文化的行事により愛校心が高まる度合いが高かったです。次いで、体育的行事、旅行・集団宿泊的行事という順で、学校への帰属意識との関係性が見られました。

「満足度 と 学業成績 と 安心感」
 学業とイベントに参加した満足度の間にもある程度の関連がありました。ある高校で特定のクラスの数値が高いので、聞いてみると『進学クラス』だったというようなケースです。調査結果を全体的に見て、事前準備や当日の取り組みなどを頑張れば頑張るほど、そのイベントに対する満足度が高いという関係が認められました。さまざまな項目の数値が良好であるという場合は、自分にとって学校が安全な場所で『居場所』感が強いということと関係があるということも出来ます。居場所感を高め、安心して行事にも集中できる環境が学校にはあるということがいえると思います。
 逆に、例えばクラス内で仲間にプラスのイメージを持てないとか、集団から疎外されている、というのでは勉強や諸活動に集中できない。パソコンで言えばメモリーの容量がほかの雑多な事柄で占められて、行うべき仕事を行いづらい状態と似ています。どうしたらメモリー領域をふやせるか。学校やクラスの環境改善に、学校行事を活用することも視野に入れていくことが大切になってきます。

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 SEASのようなシステムを活用することによって、教育現場の中にある「隠れたカリキュラム」のようなものを客観的に見える化していくことで、学校やクラスの環境作りやプログラム作りがより良いものにする手助けを出来る可能性があると思います。
東京学芸大学教授
杉森伸吉
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