Vol.009学校行事と生きる力①学校行事が「生きる力」をどう高めるか?①

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 学校行事は、学校の中でどのような効果を持つのか?実際に体験している子どもや先生達は、その効果や前後に与える影響を体感的にわかっていて、それを踏まえて学校・学級運営などに活用している所があると思います。一方、学校全体の学力を高めるために、学校行事の時間を無駄な時間と見なして、削減する場合もあります。つまり、体感的には学校行事は重要だと思っていても、学力向上という重要な価値観と照らし合わせたときに、かなりの時間と労力を要する学校行事に力を入れるべきだという理論的根拠が希薄で、学校行事の重要性は体感していても、そのための時間を削減する場合も少なくないようです。
 今回は、その学校行事が生み出しているさまざまな効果を測定・評価可能にすることを目的に開発された「SEAS(学校行事評価システム)」を紹介しつつ、学校行事の可能性を考えるヒントを模索していきます。
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■ 学校行事が学校全体の活性化へどのように貢献しているのか
 どのような学校でも行われている遠足や運動会、修学旅行などの学校行事は、学校運営や学級経営に対して、どのような効果があるのか?このことをテーマに東京学芸大学とJTB法人東京が「SEAS(学校行事評価システム)」を開発しました。SEASは、School Event Analyzing System の頭文字を取ったものです。このシステムは、児童や生徒に対するアンケートを行い、その結果をもとに、実施された行事への満足度や関わり、その行事を通しての成長した部分や、学校への帰属意識への影響などを数値化し、「見える化」をすることが出来るシステムです。
 これまで、学校の伝統や文化などという表現でしか扱うことが出来なかった行事やプログラムなどを数値化し、見える化をすることで、その価値の再発見や根拠付け、よりよい内容にするためのヒントを得ることが出来る可能性があります。
 また、生徒の新たな一面への気付きにつながる情報も提供されます。例えば、修学旅行や文化祭などで活動が目立ったり、目に見えやすい子ども以外でも問題解決型思考や情報収集・活用力などの面から見ると、深い学習や体験が出来ている子ども達がいるなどのヒントを得ることも可能になってきます。
 このような評価をする際の指標には、文部科学省が提唱している「生きる力」の概念をベースにおいて様々な指標を行事に対応出来る形で作成をしています。
東京学芸大学教授
杉森伸吉
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