Vol.207スポーツ団体と教育現場における指導の違い 2

2021.1

 さて、話は前稿でも述べました「ミライク」についてです。ミライクとは、お子様の「運動センスを育てること」を目的とした弊社オリジナルの体育スクールで、この3月で立ち上げから丸3年となります。「ミライクの中で最も重要なことは“コーチのスキル”と“商品性”である」ということを立ち上げ当初から掲げていたこともあり、ここに関しては非常に力を入れました。
 特にコーチの指導スキルにおいては、各店舗を巡回しレッスン内容を確認、フィードバックをするという作業を現在も続けております。指導者の研修に関しては、本社一括にて行い、テストに合格できないと指導には当たれません。また以前、東京学芸大学にご協力いただき、コーチの発話分析を行いました。一部のコーチたちのレッスンを撮影し、発話を文章に起こし、その内容を分析するという作業です(資料1)。

資料1

 そこで得られた結果を元にコーチングの指標を作り、それをコーディングシート(資料2)に落とし込みレッスンのチェックに行くことで、個人の価値観ではなく、全体的に統一された評価が可能となります。

資料2

 コーチは、学校の先生たちと異なり教育課程を修めてきた者ばかりではないため、就職してから子どもと関わるスキルを身につけていきます。そのため、コーチの中には不安を感じていたり、悩みを抱えたりしながら子どもの指導を行っている者もおります。こうした背景に対して、第三者が状況を確認し、定期的な集合研修を通して悩みを解消することで、コーチは子どもの指導に当たることができています。

 子どもとの関り方においては、お子様の生活の場である学校とは異なり、習い事はお子様にとって非日常な空間であることから、より一層楽しく成長が見える場所でなくてはなりません。また常にお子様を見ているわけではなく、週に1度、その時間だけを見ている為、その子の“素”がなかなか見えません。例えば、実は活発なお子様なのに人見知りというだけで「あの子は大人しい」と決めつけてしまうこともあります。ミライクでは、お子様が安心して“素”を出し、心から楽しみながら運動していただける場の提供作りに努めています。

野村不動産ライフ&スポーツ株式会社
長岡小夜子
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