Vol.248Let’s テキストマイニング!  ~アンケートや振り返りの自由記述分析の下ごしらえを、超時短に~

2023.9

 児童生徒や保護者にお願いする各種アンケートには、自由記述欄があるのではないでしょうか。みなさんは、自由記述の分析やまとめをどのようにしていますか?

 筆者の勤務校(公立高等学校)では、学園祭などの学校行事や学校評価(対象は全校)のアンケートでは600件近く、修学旅行(対象は当該学年)のアンケートでは200件程度の回答を集計処理しています。以前はマークシートを用いてアンケートが実施されていましたが、ここ最近はクラウドサービスを活用したオンラインアンケートになっています。

 オンラインによって集計データがデジタルデータになったことで、表計算ソフトがすぐ分析に使えるので、5段階評価の部分の集計は非常に楽になりました。

 しかしながら、自由記述の分析手順は、従来と同じままです。集計担当者がデータの体裁を整えて一通り目を通し、要約しながら報告書にまとめます。回答数が多い場合は目を通すことだけでも多大な労力がかかりますし、協働もやりにくいと思います。

 図1は、Microsoft Formsの応答を確認するWeb画面にある自由記述部分のワードクラウドの一例(筆者の勤務校の修学旅行事後アンケート)です。回答の表計算形式のダウンロードデータにはこのワードクラウドは含まれませんが、Web上にはこのような表示がなされ、統計的に多く出現している単語にアタリをつけることができるので、全体の要約作業が少しやりやすくなると思います。

図1 Microsoft Formsのワードクラウド

 図2は、フリーソフト1)によって、共起ネットワークと呼ばれる単語同士の繋がりを示したものです。簡単な操作で作ることができます。これによって、自由記述全体ではどのような要約ができそうか、効率よく予想できます。

図2 KH Coderによる共起ネットワーク

 テキストマイニングといわれるコンピュータを利用しての分析は、単語の出現回数や前後関係などの統計処理によって出されるものです。最終的には人間の目で原文の文脈と意味を確認することが必要な点は申し添えておきます。

山梨県立甲府西高等学校
志村奨
【参考文献】
1) ・ 樋口耕一.KH Corder.
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