教室掲示は、情報を伝えるだけの「掲示板」ではなく、ギャラリーであり、装飾であり、ポートフォリオであるなど、本当に多くの可能性を秘めています。それは児童と教師が共有する「巨大なノート」。今回も引き続き「教室掲示」についてお伝えします。
この写真は、日々の出来事を記録した掲示物です。この掲示物を子どもたちは「タイトル」と読んでいました。私は、新学期が始まった1日目から、その1日に名前を付けていきました。「進級おめでとう」「運動会がんばろう!」「秋晴れ」「5のかたまりでかぞえよう」等々。タイトルは、その日の出来事であったり、学んだ内容であったり、スローガンでもありました。タイトルは色画用紙を切った短冊に記し、写真を貼って掲示していました。
2学期位になると、子どもたちから「自分たちでタイトルを決めたい」という声があがってきます。期待通りの展開です。帰りの会でタイトルを決める場面は、とても面白い時間です。私が予想していたものと大きくずれることがありました。「そちらの方が印象深かったのか!」などと考えながら子どもたちの話し合いを聞いているのはとても愉しかったです。「はじめの一歩」という曲をピアニカで合奏する学習をしていたときのことでした。もう少しで完成!というところでその日の授業が終わりました。帰りの会で決まったその日のタイトルは、「はじめの一歩はあと一歩」。思わず「上手い!」と叫んでしまいました。子どもの力はすごい。
教室掲示のアイデアは、様々です。いろいろなスタイルを取り入れ、オリジナルのスタイルを作っていくと良いと思います。私は何よりも「学びの履歴」をお勧めします。新学期、早速スタートしてみてはいかがでしょうか。
東京学芸大学准教授
鈴木 聡
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