Vol.212進んで関わり合いながら運動に取り組む子の育成~大田区立新宿小学校の校内研究実践報告~
①研究の概要

 本校は、運動への取組に2極化傾向が見られること、失敗した友達を責めてしまうことなどの児童の実態から、平成30年度より体育の研究に取り組んできました。これまでの取組により、児童は運動の特性に応じた楽しさや、友達と一緒に運動することの楽しさを味わうことができました。一方で、「友達と一緒に運動するとできるようになったり自分の伸びがわかったりする」など、楽しい以外の友達と関わり合うよさを感じている児童が少ないことが明らかになりました。

 今年度全面実施となった学習指導要領では、予測が困難な時代にあって、児童が様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決したり、複雑な状況変化の中で目的を再構築したりできるようにすることが求められています。児童が関わり合うことのよさを実感することで、積極的に他者と関わり合っていくだろうと考え、「進んで関わり合いながら運動に取り組む子の育成~関わる必然性をもたせるための指導の工夫を通して~」という主題を設定しました。
 研究領域は、主に個人で行う体つくり運動系、集団で行うボール運動系のネット型とし、関わる必然性をもたせるために、3つの柱を設定しました。
 1つめは、「学習内容の明確化」です。学習指導要領を基に、児童の実態や中学校までの系統性を考慮して、児童から引き出したい姿(よい動きや考えなど)を整理しました。
 2つめは、「発問・言葉掛けの工夫」です。引き出したい姿を指導案に反映して意図的に児童の様子を見取り、その姿が現れた場合は、すぐに具体的な言葉で価値付けることにしました。現れない場合は、児童の思考を促す発問を行い、児童が試行錯誤しながら実現できるようにしたり、教師が直接助言や指導をして引き出したりするようにしました。
 3つめは、「学習資料等の工夫」です。以下の3つを工夫することで、児童が関心をもち、学び合いながら引き出したい姿に近付いていくことをねらいました。

  1. 必要な情報を精選し、児童が使いやすい資料を提示すること。
  2. ICT機器を使って課題を提示し、児童に課題を自分のこととしてとらえさせたり、自分たちの動きやゲームの様子を撮影した動画を使って振り返らせたりすること。
  3. 発達段階や領域の特性に応じてグループ編成を工夫すること。

大田区立新宿小学校
崎村和秀
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