Vol.107カリキュラム・マネジメントとは②
具体的にはどうする?

2018.04

 「カリキュラム・マネジメント」を生かした実践とは、どのようなものであると考えればよいでしょうか。次のような実践ができればよいのではないかと考えています。

 その特徴としては、「各教科をつなぐ」ということです。

 国語科の教材研究をしていて、「この単元、学級活動の話し合いで使える気がするな」と感じるようなことがあれば、その場で判断するのではなく、計画を立てて行えばよいのではないでしょうか。そうすることによって、児童の思いや願いを生かした活動ができるのではないかと考えています。

 1年生の国語科に「しらせたいことをかこう」という単元があります。一般には、学習の見通しをもち、その後、自分の知らせたいことを決めて書くという実践が多く見られます。しかし、「自分の知らせたいことがわからない」ということが、つまずきとして多く見られます。ここで言いたいことは、子どもにとって充実した体験があれば、人に伝えたくなるということです。いきなり、「決めて書きなさい」と指導されても、書くことが思い出せないことは当然なのです。そこで、子どもが「しらせたい」という必然から生まれる目的意識をもって、「かこう」という学習につながるよう、次のようなコンセプトのもと、授業を展開していくことを考えています。

  • ①まずは、体育科の学習で存分に楽しいことを経験する。
  • ②国語科でどのように伝えるとわかりやすいかを学ぶ。
  • ③体育科で経験したことを国語科の時間で書いてみる。
  • ④国語科で育成された資質・能力を使って、体育科の別の単元でも同じように書いてみる。

 このように児童の思いや願いをもとに、単元を教科横断的な視点で計画していきます。しかし、子どもの知らせたいことが体育科であるとは限りません。そのようなときは、計画の見直しが必要になります(PDCAサイクル)。

 また、今回は体育科と国語科をつなげることを計画にしていますが、これは生活科とつなげることも可能です。「生活科とつなげる」と考えると、地域人材の活用も視野に入ってくるでしょう。

 このような実践を展開していくことで、児童は資質・能力が育まれていると考えられます。次回には、カリキュラム・マネジメントを考えていく際にどのような留意点があるのかについて、述べていきます。

東京都調布市立第三小学校指導教諭 小島大樹
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