Vol.151朝鑑賞でカリキュラム・マネジメント③
総合で探求心を育む 学び、その先へ

 子どもたちが朝鑑賞で身につけてきた「観察力」「推論する力」「他者を受容し理解する力」 「再考する力」「表現力」「自ら学ぶ力」「コミュニケーション能力」等は、これからの時代にますます必要になるものです。わたしたちは、子どもたちのこうした力が発揮できるよう総合的な学習の時間を大きく見直し、地域に根ざした学びを進めることにしました。

 大事にしたのは「探究的な見方・考え方」を働かせるということです。子どもたち一人一人が自分で問いを立て、自分の進め方で、自分なりの答えにたどり着く。自ら課題を見つけ、解決する力を培う場として、教師が地域教材を開発しながら、地域の方々も学びの担い手となり、授業に参加する、まさに社会に開かれた教育課程であり、本校のカリキュラム・マネジメントです。

 1年生は「みかじまの昔」と題し、ふるさと三ヶ島の歩みを知る学習をします。地域をよく知る7名の講師の方々を招き、グループに分かれ、様々なお話を聞きます。ここで大切なのは、一方向的に話を聞くのではなく、朝鑑賞で培ってきたファシリテーション能力を教師も発揮しながら、地域の方と子どもたちが対話の醍醐味を味わうことにあります。地域の方から聞いて得た情報を手がかりに子どもたちはフィールドワークに出かけ、地域の様子を写真や動画に切り取ります。取材した情報ソースは「設計図」となり、絵コンテを作成し、技術科で情報処理を学ぶ3年生に委ね「動画作品」となります。出来上がった「実録ドキュメント・みかじまの昔」上映会を地域の方と共に楽しみ、もう一度討議してみるという学びの醍醐味をも味わいました。

 2年生は「みかじまの今」と題し、地域に職場体験に出かけます。ただ3日間「働くこと」を体験するだけでなく、「自分がどのように変容したか?」「自分の体験により未来像をどう描いたか?」の2点を課題に過ごしてきます。また、体験する前に予想し、実際の体験と比較することで内容を精査する構造のものとしました。14歳なりの視点で顧客として、よりよい未来につなげられるよう、お世話になった職場に「提言すること」もしました。まさに学校の学びが、その先の人生につながり、社会を共に創る一員としての自覚を持つ取り組みとなりました。

 3年生は「みかじまの未来」と題し、子育て、高齢化、環境、福祉、厚生、インフラ整備等、現在自分たちの街が抱えている問題について、まとめていきます。課題意識が明確になるようイメージマップを作成し、切実性を大切にしながら探究する学習を進めていきます。各自の課題を半年かけて提言にまとめ、行政の方、市議会の方と対話をする機会を設け、社会の変化を見据えた新たな学びへの深化を目指します。

 朝鑑賞でカリキュラム・マネジメント。子どもたちの可能性ははかりしれない方向に輝き始めました。

所沢市立三ケ島中学校 校長 沼田芳行
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