Vol.259CREDUON第500号に寄せて

2024.06

 CREDUON第500号おめでとうございます。 この節目を祝福し、今回、CREDUONの記事を執筆させていただきたいと思います。

 CREDUONは、「教育者の創造的マインドを開くこと」をコンセプトに掲げています。このコンセプトのもと、学校教育に関する先進的な情報や、学校現場で役立つ情報を提供することをミッションとしています。
 一例をご紹介します。2023年度の記事において、「各教科が好きな子どもたちが、もっと好きになるためには」というコンセプトでいくつかの教科の指導法をご紹介しました。

・英語好きな児童を育てる授業をファシリテートする〔ELEMENTS Vol.171〕
・図工科授業がもっと好きになるために~水たまりの温泉に見る子どもたちの「遊び」〔ELEMENTS vol.174〕

 他の学校教育系の媒体で、「〇〇が苦手な子ども」について取り上げられた記事はよく目にします。現場でもそのようなニーズの方が高いかもしれません。私自身も特別支援教育を専門としていますので、「〇〇が苦手な子ども」について考えることは多いです。
 しかし、「〇〇が好きな子ども」がもっとその教科が好きになって、突き抜けることができるようになるにはどうしたらよいのだろうか。これを考えることは、もしかしたら「〇〇が苦手な子ども」への指導のヒントになるかもしれません。
 CREDUONの「教育者の創造的マインドを開くこと」は、このような柔軟な発想から生まれるものだと思います。柔軟なアプローチで、学校教育がもっと豊かで素敵なものになっていくためのお手伝いをCREDUONが果たしていけたら嬉しい限りです。

 ここ数年のCREDUONの主な執筆者は、東京学芸大学教職大学院で学ぶ「現職院生」です。「現職院生」とはすなわち、現役の学校の教師を続けながら、教職大学院で学んでいる先生方のことです。現在、東京学芸大学教職大学院では、全国各地から、校種を問わず多くの現職院生が集まってきています。
 現職院生は各自の課題やミッションに応じて研究活動を行っています。しかし、このCREDUONでは、重厚な論文ではなく、学校現場の先生方に「わかりやすく」伝わるようライトな記事を執筆するようにお願いしています。
 この「わかりやすく」伝えることは、実はとても難しい作業です。「わかりやすく」伝えるためには、読み手の顔を想像しながら書かなければならないからです。
 学校現場の先生方は、子どもたちが喜ぶ顔を想像しながら、日々授業を考えているはずです。それと同じです。CREDUONは学校現場で輝く先生方の顔を想像しながら記事をお届けしています。

 最後になりますが、CREDUONは多くの皆様の温かなご支援により成り立っています。支えてくださった皆様に感謝の意を表します。特に、ジブラルタ生命保険株式会社、NPO法人東京学芸大こども未来研究所の方々のご尽力に、改めて感謝を申し上げます。

東京学芸大学教職大学院 准教授
増田謙太郎
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