Vol.126知的障害のある生徒の高等部卒業後の企業就労に向けて

 東京都立知的障害特別支援学校高等部には、普通科に加えて職業教育を主とする専門学科として、「就業技術科」と「職能開発科」があることをご存知ですか。知的障害が軽度の生徒を対象とした就業技術科では、生徒全員の企業就労を目指し、ロジスティクスやフードサービス等の職業に関する専門的な内容の授業を実施するとともに、就業体験(インターンシップ)や現場実習を積極的に行うなど、十分な企業経験を積むための教育を展開しています。本校、就業技術科卒業後は学校での学びと結びついた事務業務、ロジスティクス業務、清掃業務、食品関連業務などを行う企業等が進路先となっています。では、障害のある子どもたちの企業就労に向けて、学校生活の中で取り組んでいる実践を紹介します。

<日めくりカレンダーで毎日確認!>
 社会人として求められる基本的なコミュニケーション能力やマナーなどを身に付けられるように、31個の標語を日めくりカレンダーにして毎日、朝のホームルームで確認しています。ここでは、2日分を紹介します。

《5日》 「メモを取る!」
 忘れてしまうからです。大事なことは、必ずメモしましょう。そして、忘れたときにメモを活用しましょう。

 学校では、何度も繰り返して伝えたり、プリントを配布したりしますが、社会に出れば口頭での指示や説明も多く、同じことを何度も聞くわけにはいきません。学校生活の中で、日常的にメモを取る習慣を身に付ける必要があります。また、メモを取るだけで活用しない生徒も多いので、まずメモを確認するように指導していきます。

《27日》「その報告はあっている?必ず確認しよう!」
 間違った報告をすると後でやり直すことになり大変だからです。報告する前にもう一度、間違えやミスがないか、よく確認・点検をしましょう。そして、報告するときは、相手を呼びつけず、相手の前まで行って報告します。

 指示した作業が終わると、すぐに「終わりました~」と手を挙げて教員を呼ぶ生徒が多くいます。しかし、会社では上司を呼びつけるようなことはまずできませんし、お客様に納品する品物であればミスは許されません。しっかりと確認する必要があります。確認を意識しすぎて時間がかかり過ぎてしまうのも問題なのでバランスを考えて取り組むことができるように声を掛けることが大切です。

 以上のように日めくりカレンダーの標語とともに「なぜ」そのようにしなければならないのか、理由も大切にしています。子ども自身が納得していなければ、「挨拶をしなさい」、「時間を守りなさい」といくら伝えても伝わらないからです。毎日確認することで社会人として必要な力を少しでも身に付けてほしいです。

東京都立水元小合学園
主幹教諭 岸田大輔
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