Vol.190特別支援学級における校内体制の築き方

2025.01

 私は市立小学校にある特別支援学級で担任をしています。同じ学校の中に特別支援学級があるということは、校内の職員が協力して支援学級の子どもたちの教育を支えることが可能であるため、子どもたちの学習活動の幅も広がります。特別支援学級の存在感を高め、校内の支援体制を構築していくために心がけている点をお伝えします。

(1)活動の紹介を通し、相互理解につなげる
 学級通信等を通じて、特別支援学級の学習活動の様子を写真で紹介することや、掲示板を活用して、学級での活動内容を常時伝える工夫をしています。また、校内の先生や通常の学級の子どもたちと一緒に授業を展開することも効果的です。生活単元学習で育てたサツマイモを活用して調理したスイートポテトを校内の先生に配り、食べた感想を手紙に書いてもらったり、子どもたちが企画したお楽しみ会の時間を一緒に過ごしたりすることも、相互理解につながります。

(2)管理職との関係性を構築
 校内の支援体制を形成していく上では、特別支援学級の教育活動に管理職の理解を深めてもらうことが重要です。そのための働きかけを積極的に行うのも担任の役割です。具体的には、管理職に授業を公開し、子どもたちと関わる機会を設けることで一人ひとりの実態を把握してもらうことができます。また、朝会で校長先生が話した内容について、要点をまとめ、子どもたちが校長先生に報告する場を作っています。管理職と子どもたちが相互に関わり合える環境設定の工夫も必要です。

(3)協働で活動する場の形成
 個別の指導計画を作成する際には、担任だけでなく、特別支援教育コーディネーターや管理職等が協働する場を設定することも大切になります。個々の子どもの情報を共有するだけでなく、多角的な考えを生み出せる場にもなります。様々な情報を出し合う中で、自分の考えに客観性をもつことができ、その考えを指導に生かすことができます。こうした意見交換の場を特別支援学級の担任から意図的に築いていくことで、協働する校内体制が構築されていきます。

 学校という学びの場に特別支援学級があり、そこでは同じように学びをしている子どもたちがいることを特別支援学級の担当の教員側から発信していくことこそ、特別支援学級における校内体制を築いていく一歩になると考えます。

鷹南学園三鷹市立東台小学校
丹沢茂樹
参考文献:佐藤曉,2012『入門 特別支援学級の学級づくりと授業づくり』(学研教育出版)
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