Vol.117みんなで取り組む生活指導①
生活指導のポイント

2020.12

 小学校における生活指導は、交通安全指導や問題行動抑止の他、生活リズムの安定化など多岐にわたっています。加えて、最近はSNS等との関わり方や感染症対策を始めとした、日々変化する社会情勢に合わせた指導を経験している方も多いのではないでしょうか。特に今年度は、今までと違う1年間となりました。おそらく、多くの学校で様々な対応をしてきたことと思います。そのような状況の中で、小学校の生活指導で意識したいことを3つ示します。

①共通認識をもちましょう
 生活指導をする上で一番大切なことは「共通認識をもち、指導にあたる」ということです。教員はもちろん、学校に関わる職員、地域の方とも「生活指導はこうします」という学校内で共通した指導方針を固める必要があります。学校の実態に応じて合意形成できればベストですが、今年度のように状況が刻一刻と変わる中では難しい面もあります。また、時代の変化に合わせて生活指導も変わっていきます。目の前の子どもの実態、現在の環境に応じて決めることが大切です。

②教員間の指導の「ぶれ」をなくしましょう
 生活指導でよくあるのが「職員間で生活指導の厳しさに差がある」「先生によって、言うことが違う」ということです。生活指導は一人で行うものではなく、共通認識に従って一貫した指導をする必要があることを意識し、先生間で「ぶれ」がないようにしたいものです。子どもたちは「ぶれ」に敏感で、先生によって態度を変えたり、その「ぶれ」が学校の「ぶれ」につながったりすることが往々にしてあります。気を付けたいものです。

③子どもも納得する指導を心がけましょう
 異動した先生や若手の先生にお勧めなのは「なぜ、その生活指導が必要なのか」を子どもたちから聞かれたときに、答えられるように準備しておくことです。それだけで説得力が増します。私は「小学校から一歩外に出た社会でも通用する」ことを念頭に置いて、指導の意味や価値を児童に伝えています。 また、生活指導を行う関係者自身の生活も見直してみましょう。「ポケットに手を入れて歩くと危ないから、手を入れない」と指導している先生がポケットに手を入れながら指導していたら、子どもたちの眼にどう映るでしょうか?自分が子どもだったら、その先生の注意を聞くでしょうか?生活指導は子どもも納得する形で進めていくことが大切です。

千代田区立富士見小学校
指導教諭 岩崎泰久
pdfをダウンロードできます!