低学年向けにはコンピュータを使わずにカードなどを使う「アンプラグドコンピューティング(電源を使わない学び)」という授業方法があります。私も「順番(手順)のよさを考えよう」というコンピュータの性質を知る活動を、小学校3年生の総合的な学習の時間で行いました。
各教科での実践としては、小学校4年生の音楽で「SonicPi」というプログラミング環境を使って、コンピュータで作曲をする活動をしました。SonicPiでは、[play 60]というコマンド(命令)を実行するだけで、子どもたちは[ドの音]を鳴らすことができます。そして、すぐに音を重ねたり、音色を変更したり、30分も活動すればリコーダーで演奏する「チューリップ」などを、子どもたちはコンピュータに演奏させることができるようになります。
「なぜ作曲?」と疑問に思うかもしれませんが、そもそもプログラムの語源はラテン語の「プレ+グランマ」で「予め+書かれたもの」となり「手順書」と訳せます。楽譜は書かれた音符を「順番」通りに演奏することで、誰もが作曲者の作った音楽を再現できるので、楽譜は手順書の典型例といえます。この「順番」が「遂次性」というコンピュータの基本的な性質の学習に繋がります。思い通りにコンピュータを動かし、遂次性も実感できる例として、音楽で「曲をプログラミングする活動」はおすすめできます。
次回は、算数や図画工作に位置づけた事例を紹介しますので、お楽しみにしてください。
〈教材紹介〉