Vol.134つなげて、つなげて話し合おう!
即興的に反論し合う「うん。でも、バトル」

 反省をこめて考えることがあります。「発問-挙手-指名-発問-挙手-指名」と教師と一部の子どもとのやり取りの中で正解を確認したり、誤答を検討したりしながら進んでいく授業。このような「答えは教師が常にもっていて、そこにたどり着くことがゴール」という授業に学びがいを感じられない(正解を言えない)子どもはその授業中、何を思いながら座っているのだろうと。
 学習指導要領の改訂を追い風に、児童が主体的で対話的な活動をどのように充実させられるか、ということを考える機会が増えてきました。しかし、主体的で対話的だと言われている活動を取り入れるだけではその時間が豊かなものにならない、ということは、多くの方が感じられているのではないでしょうか。例えば、話し合い活動を想像してください。次のような子どもの姿が思い浮かびませんか?

  • 意見の数は増やせても、深める話し合いにならない。
  • 質問や反論が出されず、意見を発表し合って終わり、の発表会になってしまう。
 話し合う力といっても、そこで求められる力は複合的で、その場の環境にも影響を受けるものかもしれません。そこで、ここでは、友達の考えに「なるほどね。」と納得するだけでなく、意見を深めたり広げたりするために、「本当にそうかな?」と多角的な視点で考える癖を身に付ける活動を紹介します。ディベートを簡略化し、相手の意見を受け止めながら即興的に反論し合う活動です。15分程度を想定しています。

「うん。でも、バトル」
  1. 話題を知る
  2. 隣の人と肯定側か否定側かの立場を決める(じゃんけんに勝ったら肯定側)
  3. 意見の理由をたくさん箇条書きで書く
  4. 自由に立ち歩いて同じ立場の友達と話し合い、意見の理由を増やす
  5. 一対一または二対二程度の人数で立場の異なる相手と「そうですね。でも……」と反論をし合う
  6. 制限時間が来るまで反論を繰り返す
  7. 反論できなくなったら負け

【活動例】

話題 「兄弟姉妹は上よりも下の方が得」
肯定側:上の兄弟は、何でも新しいものを買ってもらえるから得だよね。
否定側:確かにね。でも、弟や妹でも全部がお下がりってわけではないよね?
肯定側:まぁね。でもさ、本とかおもちゃとか、同じように使えるものはお下がりになることは多いよね。

 例にあるように、ディベート的に立場に分かれ、必ず前の人が言った意見の一部を引用しながら話すことをルールとします。そうすることで、意見を発表し合うのではなく、意見を多角的に検討し合うことができます。さらに、活動の中に、そもそもの部分である、「話し合うことのよさ」を感じられるような工夫を取り入れました。「なるほどね。でも」という話型を使うことや、じゃんけんという偶然性を生かして立場を決めることです。考えを受け止めてもらえる安心感や、自分の考えに固執せず、友達とのやり取り自体を楽しむ感覚をこの活動を通して少しでも、得てほしいなと思います。

東京都東久留米市立第一小学校
丹野裕基
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