Vol.099通常の学級と連携する
〜スクールカウンセラーの立場から〜

 障害者差別解消法により、平成28年4月から合理的配慮が求められるようになりました。学校現場では、インクルーシブ教育の理念のもと、個別の教育的ニーズへの対応がより重要になったことでしょう。
 たとえば、授業中に歩き回る子どもに、「勝手に歩きませんよ」「みんなの迷惑になりますよ」と伝えても状態は変わらないものです。じっとしているとソワソワしてしまい、落ち着くために歩きたくなってしまう子もいますし、友達と楽しみたい気持ちが授業妨害につながってしまうこともあるでしょう。
 そのような背景を捉えないまま指導してしまうと、先生の思いや指導内容が伝わらず、「なぜかいつも怒られる」「自分だけが怒られる」と誤解を与えてしまい、子どもには不快な体験としてしか残らなくなってしまうこともあります。
 子どもの行動には、必ず、その子なりの理由や感情が伴っているものです。しかし、子ども自身がそれに気づいていないことや、言葉で伝えることが困難なため、“問題行動”と受けとられてしまいがちなのです。

 このような子どもの支援において、スクールカウンセラー(SC)と積極的に連携をとっていただきたいと思います。SCは、先生から子どもについての具体的なエピソードを聞くことや(「○○の授業の時にこんなことがあった、こんなことを言っていた」等)、子どもの学習態度や人間関係を観察します。
 それにより、子どもの困り感や発達課題だけでなく、「その子なりの頑張り」や「良さや強み」も含めてアセスメントし、子どもの理解を深めていきます。そうすることで、これまで疑問に感じられていた子どもの行動を理解する機会を作り、“問題行動”を「支援」へとつなげていきます。

 また、子どものカウンセリングでは、子どもと様々な気持ちを共有し、信頼関係を結ぶことで心のケアを行います。発達や支援というと、「できないことができるようになること」が目標になりがちですが、人と居るときの安心感や、自分を好きになれる気持ちがなければ、成長の意欲を保ち続けることは難しいものです。
 子どもの気持ちの理解を深めることで、先生にも、安心感や自信をもって支援を行っていただきたいと思っています。

東京都公立学校スクールカウンセラー
臨床心理士・公認心理師 瀬戸口優子
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