Vol.200付けるだけじゃ勿体無い! 評価の使い方

2025.12

 評価は付けるものであって、使うものじゃない。そう思ってきました。日々、授業のために指導書を開き、2ヶ月に1度、定期考査を作り、パフォーマンステストを行っていました。これらを点数化して、慎重に、間違えないように、後で説明できるように、評価を付けます。いつの間にか、評価=学期末の作業、になっていました。
 大学院で学ぶ機会を得た私は、当たり前を問い直すことを学びました。評価=学期末の作業、という自分の当たり前を問い直すことになったのです。本稿では、評価は付けるものではなく使うもの、として、その一部をご紹介します。

1.授業のデザインに使う
 評価は、授業作りの核になります。授業には目標があり、その目標に準拠した評価を考え、その評価で測る力を生徒が身につける授業を作ります。いわゆる逆向き設計です。この方法では、目標と評価というレンズを通して、自分の授業を見つめ直すことができます。
 例えば、「発表の⽬的と聴衆によって話し⽅と視覚補助を変えることができる」という単元の目標を立てます。この目標に対する評価方法は、「⽬的と聴衆が異なる場面を設定し、その場面ごとに合わせたプレゼンテーションをする」といったものが考えられます。
 これにより、今までの教科書中心の授業が、発表の目的とは何か、聴衆にはどのような種類や特徴があるのか、そこでの効果的なプレゼンは何かなどを学ぶ場に変わります。この力は、単元が終わっても活用できる力であり、科目も、年齢も、国境も越えて使える資質・能力になるはずです。

2.生徒の学習改善に使う
 生徒は評価で学習を改善できます。評価には、学習のための評価(形成的評価)と学習の評価(総括的評価)があります。学習のための評価は、学習の評価には使わない、と言われています。生徒は、学習の評価を気にせず、学習の成果を発揮できます。教師は、この成果を評価し、フィードバックします。これを受けて、生徒は自分の現状を把握し、学習の軌道修正を行い、再び目標に向かうことができます。
 例えば、先ほどのプレゼンをグループで発表したとします。生徒はその動画をGoogle Classroomなどで教師に提出します。教師はルーブリック(評価ツール)で評価し、必要があればコメントをつけて返します。生徒は、ルーブリックで現在の到達点と目標までの距離を把握し、コメントによってその距離を埋めるヒントを得るのです。

 本稿の内容は、皆さんにとって当たり前のことだったかもしれません。もしそうであれば、その当たり前を問い直すきっかけになれば幸いです。

宮城県仙台二華高等学校
青木 翔平
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