理科が得意な子とは、どんな子でしょう。
私が出会ってきた理科が得意な子の特徴を紹介します。
このような子たちは、観察・実験の場面で目を輝かせて活動し、考察の場面では根拠をもとに発表していました。しかし以下のようなとき、この子たちの目も曇ってしまいました。
令和3年中教審答申「「令和の日本型学校教育の構築」を目指して」では、個別最適な学び・協働的な学びが求められています。これは学習が苦手な子だけではなく、得意な子・好きな子も含めたすべての子供たちそれぞれに合わせた学びを目指そうということです。理科が得意な子を含めみんなが熱中している活動を展開したいですね。
また得意な子が意欲的になるのは、他の子と同じように友達に認められるときです。しかし友達とうまく協働できない場面も何度か目にしてきました。例えば、本人が一方的に話してばかりいるときなどです。協働的な学びを構築するためには、お互いが認め合う多様性の尊重がキーワードです。
これらをふまえた上で、理科が得意な子にしてあげたい3つのことを紹介します。
(個別最適な学びの視点から)
①「継続的なICT活用法を伝える」
観察・実験記録を動画等で撮影し繰り返し見直す、課題をウェブ検索などして追究するなど、本人に合わせた活用を積極的に伝えました。私のお勧めは、記録をすぐ見られるよう整理させておくことです。その工夫によって、時間的な変化、事物・現象の共通性に自然と気付くようになりました。
②「自主学習・自由研究、科学展につなげる」
授業中の学びを宿題の自主学習、長期休業中の自由研究や科学展への応募につなげるように声をかけることもありました。そのときは、これまでの良い作品を具体的に示していくと効果的でした。
(協働的な学びの視点から)
③「お互いが認め合える機会を作る」
理科が得意な子・好きな子は自分の世界に没頭しすぎて、相手意識が低くなってしまいがちです。また周りの子にとって、難しい内容の場合もありました。そのようなときの良い例として、理科おもちゃ遊び大会があります。得意な子にとっても、おもちゃという具体物を作り上げることは難易度が高くやりがいがあり、周りの友達も具体的な操作を通して理解を深めることができます。このように友達同士で楽しみながら理科の事物・現象に触れ合う機会を作ることで、理科が得意な子はさらにやる気を高めることでしょう。