知的に境界域の子どもと聞くとどのような子どもが思い浮かぶでしょうか。
学習の理解が遅い子?
指示が通りにくい子?
知能指数で示すとIQ70~85が境界域と定義されています。
現実には一人一人個性も特性も異なりますので、個に見合った支援が必要になりますが、少なくともこの境界域の子ども達に共通して最も大切なことは【安心して学ぶことができる環境づくり】だと感じています。
そこで、今回は知的に境界域の子どもにとって共通して効果的だった実践を紹介したいと思います。
◎知的に境界域の子どもが安心して学べる環境づくりその⑴◎
①安心できる学級づくり Aさん(低学年児童)
まず、学級集団をきちんと落ち着かせ、機能させる必要があります。学級集団として、落ち着いて学習できる環境にすることが、知的に境界域の子どもにとっても安心して学べる環境づくりの第一歩となります。
②子どもへの支援~ユニバーサルデザインの視点~
学級そのものを安心して学べる環境にしていくのと同時並行に授業を考えます。Aさんも楽しく学べている授業は他の子どもにとってもわかりやすい授業となっていました(ユニバーサルデザイン化)。
例えば、国語のひらがなの学習です。「あ」の学習だったら、ただ「あ」の読み方や書き方を学習するだけでなく、「あ」の付く言葉を学級全体で考えます。「あいす」「あんこ」「アンコールワット」・・・(Aさんは、「あ」を「あんこのあ」のようにして覚えます)。児童同士でお互いにその言葉の意味を教え合います(主体的・対話的で深い学びの視点)。
また、Aさんや他の発達障害をもつ児童には事前に次の文字を伝え、言葉を一緒に考え、授業で自信をもって挙手できるように配慮を行います(合理的配慮)。
◎知的に境界域の子どもが安心して学べる環境づくり その⑵~特別支援の視点でより細やかに~◎