Vol.141カリキュラム・マネジメントを進めるための仕事術

 カリキュラム・マネジメント(以下カリマネ)は学校における多くの教育活動を関連付け、PDCA(Plan:計画、Do:実施、Check:評価、Act:改善)サイクルによって、学校教育目標を実現するために行うものです。本稿では、カリマネを効果的に進める上で大切なことを3点お伝えします。

1.学校教育目標と「育てたい資質・能力」を全員で検討する
 カリマネでまず始めるべき事は、学校教育目標と「育てたい資質・能力」を全員で検討することです。学校教育目標はカリマネを行う目的となる大切なものです。しかし、実際は学校教育目標と日々の教育活動が分離している場合があります。普段は学校教育目標を意識しない先生方もいらっしゃると思います。そこで、全教職員の学校教育目標への意識を高めるために、全員参加のワークショップで学校教育目標を設定すると効果的です。その際、リーダーの先生方は、地域や保護者からの要望、生徒の実態に関するデータなど必要な情報を提供すると良いでしょう。
 次に「育てたい資質・能力」を検討します。学校教育目標が決定しても、それだけでは普段の教育活動に反映できません。学校教育目標を細分化し、多くの先生方の教育活動に割り当て可能なものにする必要があります。それが「育てたい資質・能力」です。「育てたい資質・能力」は学習指導要領における学力の3要素に規定されているものの他に、自校独自の〇〇力といったものを検討します。

2.「育てたい資質・能力」を指導計画と評価計画に盛り込む
 「育てたい資質・能力」を各教科などの指導計画に盛り込みます。ここで大事なのは「見える化」するということです。どの単元のどの活動が〇〇力の育成につながるのか示します。さらに、評価計画も作成します。自校独自の〇〇力は各教科・科目の評価における3観点のいずれかに属させ、ルーブリックを活用して評価するようにします。学校によっては、教科・科目の評価計画とは別に、学校生活全体で身に付いた資質・能力を評価するルーブリックを作成し、定期的に生徒が自己評価するシステムを運用している例もあります。

3.全関係者に対して学校教育目標の意識を高める環境をつくる
 当然ですが、生徒自身に目指すゴール(学校教育目標や「育てたい資質・能力」)を示した方が、ゴールにたどり着く可能性は高まります。さらに、保護者や地域の人々など教育活動に携わる全関係者にそれを知らせることもその可能性を高めます。学校だよりやホームページ、校内ポスターなどを活用して、全関係者の学校教育目標や「育てたい資質・能力」に対する意識を高める環境を作りましょう。

[参考文献]
田村知子、村川雅弘、吉富芳正、西岡加名恵(2016)『カリキュラムマネジメントハンドブック』ぎょうせい

埼玉県立狭山経済高等学校
相澤茂
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