4月。子どもたちは新しい学年に対する期待でいっぱいです。その意欲がエネルギーとなり、順調に学級経営が進むことも多いです。
5月。少しずつ学級に慣れ、緊張していた子どもたちから「素の顔」が出てくるころです。休み時間には、子どもたち同士のトラブルが起きたり、おしゃべりに花が咲いたりすることでしょう。それが影響してチャイム着席が守れない、ということは往々にあります。しかし、これは、子どもたちのかかわりが広がっている表れです。教師が焦ったり、高圧的に指導したりする必要はありません。これは、教師も子どもも考える「チャンス」です。「みんなで気持ちよく過ごし、学習をスタートさせよう」という学級の風土やきまりを子ども(たち)自身でつくり上げていけるように、考えていきます。
「チャイム着席をしましょう!」と押し付けては、自分(たち)で考えて行動する力はつきません。「気持ちよくみんなで次の時間の学習をスタートさせるためには、どうしたらいいでしょうか。ちょっぴり考えながら、休み時間を過ごせたらいいですね。」と投げかけて、前の授業を終了したらどうでしょうか。小学校1年生であっても、必ず考えて行動できる子はいます。学級全体を見渡し、それを見逃さないようにします。早々に「チャイム着席」できている子を褒めてあげます。そうすれば、「チャイム着席」は浸透していきます。
あくまでも教師の思う通りに行動した子どもではなく、「自分(たち)で考えて行動した」ということを価値づけていきます。
せっかく「チャイム着席」をしても、全員が揃うまで、手持無沙汰でやることがなければ、おしゃべりが始まってざわざわしてしまうかもしれません。そこで、ちょっとしたミニゲームをして授業の開始を待つのがお勧めです。
子どもたちは黙って心の中で10秒数え、ぴったりだと思うところで「はい!」と言いながら手を挙げる「10秒チャレンジ」は、心を落ち着かせながらも盛り上がります。「これは誰でしょう(3ヒントクイズ)」は、小学校低・中学年にぴったりです。子どもたちは、自分たちがクイズになることを好みます。4月によく書く自己紹介カードなどからヒントを得て、出題するのも楽しいですよ。
頑張っている子が得をしたり、楽しい時間を過ごせたりするよう、教師として考えていきたいと私は思っています。
子どもたちの言動には、必ず理由があります。それを「チャンス」と捉え、子どもたちの「自分(たち)で考えて行動する」力を伸ばし、子どもと共に教師も成長していけるとよいのではないでしょうか。