王寺小学校は146年の歴史と伝統ある学校です。年間延べ800人を超える地域ボランティアの方々に教育活動を支えていただき、全校509名の児童は伸び伸び育っています。
さて、月1回の全校朝会は校長が直接子どもたちに思いや願いを伝えることができる大切な機会です。予測不可能な時代を生きる子どもたちには、「何事にも自信を持って取り組む意志や能力をもち、人に優しく、社会に役立つ大人に成長してほしい」という願いを込めて講話をしています。
ある日のこと、校長室の机上にラミネートされた挨拶運動の札が置いてありました。
コロナ禍で登校の様子に元気のなさを感じていたところだったので、担当教員からこの企画を聞いて、心の中で拍手を送っていました。少しはにかみながら始まった挨拶運動の初日は全校朝会。私は絶好のチャンスと思い、この話をしました。翌日からは当番以外の子どもも加わって挨拶運動が活発に行われるようになり、次の運営委員会では「皆が挨拶をしてくれてうれしかった。」「期間は終わったけれど、週2回この運動を続けたい。」という意見が続出したそうです。
全校朝会で取組が紹介されたことにより、自分たちの行動の意味に改めて気付き、その価値を実感できたからではないでしょうか。
校長の講話は一方通行になりがちです。まして、コロナ禍で放送による朝会となればなおさらです。講話の評価は子どもの心にどのように響いたかです。よりよい学校生活を送る姿を認め、褒め、発信することで子どもは変容していくという好循環が生まれるのです。