2016年12月3日、東京学芸大学において「子ども未来フォーラム」を開催しました。基調講演「デジタルもアナログも学校図書館で」や、教員やICT関連企業によるセミナー、読書に関わるワークショップ、地域の親子連れが楽しめるカルタの部屋、絵本を手に取って読める展示ブースなど、いろどり豊かな内容のフォーラムとなり、約800名の参加がありました。教育関係者向けセミナーの内容をいくつか紹介いたします。
まず、「絵本を資料として活用した道徳の実践」(小学校6年生・道徳)では、〈主題:人への思いやり〉の指導にあたって、絵本『ふしぎなともだち』(たじまゆきひこ くもん出版)と『ひとりひとりのやさしさ』(文・ジャクリーン・ウッドソン 絵・E.B.ルイス 訳・さくまゆみこ BL出版)を活用した実践が報告されました。自閉症の友だちの行動に戸惑う主人公が、しだいに心を通わせていく過程を考えさせ、自分の行動を振り返らせる授業をしたという報告でした。絵からも多くのことが読み取れる絵本は、心を育む格好の素材となることを示した提案でした。
最後は、「『主体的・協働的・対話的』な児童の育成~理科におけるICT活用」(小学校5年生・理科)です。「流れる水のはたらき」では実験方法の提示場面で、「雲と天気の変化」ではアプリを紹介して雲の動きを確認させるなど、学習場面に即したデジタル教材の活用例が報告されました。授業づくりにデジタル教材をどう活用できるかの具体的な提案といえます。
以下は、学生たちの感想です。
・絵本を使った道徳の授業は絵本の登場人物と一体になって問題について考えられるので、子どもたちは身近な問題として受け止められると思った。
・学校CM作りは、学校を好きになってもらうことにつながると思った。小学生は「YouTube」などに興味があるので、インターネットの活用は関心を高めるのに良いと思った。
・実験の際に繰り返し行うことが難しい作業を、動画を見せることはとても有効であると確認できた。つぶやきを残しておくことができるのも動画のメリットであると感じた。
ここで紹介できなかった実践報告等を、デジ読Webサイトにアップしますので、ぜひご覧ください。