学校の新しい1年の始まり、4月。新しい教職員の着任があり、新体制のもと、すぐに始業式、入学式と続きます。この時期はどこの学校も先生方は大忙しです。その時、学校の保健室にいる養護教諭は、新年度のスタートにあたって、どのようなことをしているのでしょうか。
4月は養護教諭にとって、1年で一番忙しい時期といわれています。まず、春休み中の4月の職員会議ではたくさんの提案事項があります。学校保健計画や保健室利用のルール、毎朝の健康観察の流れ、昨今であれば感染症対応についての確認等、先生方と共通理解しておく内容です。新しく着任した先生や、新学期を迎え忙しい先生方にもすぐに分かる資料作りが求められます。そして、忘れてはならないのが、春の大きな学校行事、定期健康診断に関わる説明です。年度初めは保健関係書類の配布物がたくさんあります。養護教諭は年明けから学校医や教務主任等との調整、打ち合わせをしながら、日程決めをはじめ、配布・回収する保健関係書類の事前準備をこつこつと始めています。ですが、実際に子どもたちに配布し、回収するのは担任の先生のため、作成した実施案をもとに、年度初めにそれらを教職員に周知し、共通理解を図らなければなりません。
健康診断は養護教諭が中心となって進めますが、養護教諭1人ではできません。先生方との連携・協力体制のもと、学校行事という意識をもって、学校全体で取り組むこと
が大切です。
また、健康診断は子どもたちが自身の健康を知る機会でもありますが、担任の先生もクラスの子どもたちの健康に関心をもち、健康状態を把握して欲しいと思います。特に保健調査票はとても大切な個人情報のため、取り扱いには大変気をつかっています。一人一人確認し、配慮の必要な児童の一覧表を作成し、職員会議や校内研修で先生方に周知することは、欠かせません。子どもの命と安全に関わることだからです。
このように、養護教諭は、定期健康診断や子どもたちの健康状態の把握を行いながら、救急処置や相談活動等の日常の業務も行っていくことになります。バタバタと慌ただしく忙しいのですが、日々の子どもたちとの関わりも大切にしています。なぜなら、4月は、子どもたちも、新しい学年やクラス、今までとは異なる教室で、新しい友達や先生と出会って、ワクワク、ドキドキしているだけでなく、新しい環境に不安定になってしまうことがあるからです。スタートが大切ですので、4月は特に気を付けて丁寧に心と体の両面からのサポートをしています。
子どもたち一人一人が明るく元気に笑顔いっぱいの学校生活を送ることができるように、養護教諭と連携し、クラスの子どもたちの心と体の両面に目を向けていくことができたら、先生方も新年度よいスタートをきれそうですね!