Vol.131初任者の先生へのメッセージ
~困難なときほど、柔軟な学びの時間を~

コロナ禍の英語の授業
 2020年の1月から、私たちの生活は大きく変わりました。学校現場も大混乱の中、できるだけ生徒たちの教育の機会が削られないよう取り組んできました。
 いろいろな国が空港を閉じ始め、急遽、私の勤務校のALTの先生もオーストラリアへ帰国することになりました。そして、少し静かな英語の授業が始まりました。そんな時、帰国したALTの先生とZOOMをつないで授業をする計画が出ました。ALTの先生からホテルでの隔離生活や、ロックダウン中のメルボルンの街の様子を聞いたり、家族を紹介してもらったり、こちらからは日本の状況を伝えたりしました。授業時間数に余裕があったわけではないのですが、今しかできない授業を、限られた学びの時間に取り込むことも悪くはないなと明るい気持ちで行いました。なぜなら、生徒がいつもより積極的に、楽しそうに英語を使っていたからです。

生徒への支援
 入学後からずっとマスクをつけて過ごしているため、昼食時に顔を見られるのを嫌がる生徒もいます。顔が見えず、相手の細かな感情を読み取ることが難しい中で、人間関係作りや学校生活にストレスを抱える生徒もいるかもしれません。そのような時、教師は生徒の状態の変化に敏感であってほしいと思います。授業内でのコミュニケーションを取る時間や手段が限られている今だからこそ、相談しやすい環境づくりや、教師間での情報共有が大切になると思います。

静かなアクティブラーニング
 学習者に知識を伝達するだけが学びではないということを、最近よく考えさせられます。言語の習得に関して言えば、実践的に使用することによって、言語能力はより伸びます。しかし、コロナ禍の中で不安を抱えながら、クラスメイトとの積極的な会話を強制することはできません。
 アクティブラーニングとは、必ずしもワイワイと盛り上がって学んでいる生徒の姿だけではないと思います。生徒の頭の中がアクティブに動いていれば、アクティブラーニングと言えるのではないでしょうか。今までと同じ授業ができない状況下で、私たち教師も生徒たちに今までと違う学びのアプローチを仕掛けていかなくてはいけません。初任者の先生たちだからこそ、型にはまった指導観を もたず、新しい学びを提供できるかもしれません。
 最後に、私たち教師のミッションは生徒たちに学ぶ楽しさを提供することではないかと思います。こんな時代だからこそ、柔軟に、旬の学びを提供してあげてください。

高知県立高知国際高等学校
山本直子
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