1年間の学習のまとめの時期になりました。児童が自らの成長を振り返り、次年度への意欲と期待を膨らませるために、成果を目に見える形でまとめておきましょう。今回は学習成果をまとめる方法をいくつか紹介します。
小学校1、2年生におすすめしたいのが、「巻物」や「ポスター」でまとめる方法です。シンプルに紙にまとめることによって、成長が本人にも見えるため、進級への喜びにつながります。
巻物は、まず4月から3月までの学習の思い出を、それぞれ12枚の紙にまとめます。次に、その12枚を4月から順に台紙となる長い紙に貼り、最後に3月を中にして巻き込んでいきます。台紙に関連するようなイラストを描かせたり、特に印象に残っている思い出については、印をつけたりするなど、子どもに工夫させることもできます。
ポスターは、まず模造紙のような大きな紙に木の幹や枝を書きます。枝は運動や勉強、手伝いなどを表し、それぞれの「できるようになったこと」を小さい紙に一つずつ書いて、枝に貼っていきます。紙を内容別に色を変えて貼ると、華やかな仕上がりになります。子ども個人で木を作ることもできますが、クラス全員で木を作り共有するなど、まとめ方もいろいろできます。
3、4年生には、「すごろく」や「4コマ漫画」がおすすめです。活動が活発になる中学年の児童が、楽しみながら成長を振り返ることができます。
すごろくは遊んだ経験を活かし、スタートからゴールまでに「3つとばす」「1回休み」などの仕掛けを入れて、楽しいものになるよう、子どもの振り返りの手助けをしましょう。平面に作ると畳んで保存できる利点がありますが、厚めの台紙で階段などをつけた立体的なすごろくにするなど、自由な発想を取り入れた作品作りもおすすめです。
4コマ漫画は、まず、『サザエさん』のような日常生活を題材にした4コマ漫画を、教員が新聞や書籍などから選び、数種類準備しておき、テーマの選び方や吹き出しの言葉の入れ方について事前に学習します。次に、各自が書きたいテーマを短冊型の紙にどんどん書き出して、全員で共有します。その後、内容の重なりなどを考えながら、取捨選択します。子どもはでてきた内容から自分の描きたいテーマを選びます。漫画を描く用紙は、統一感と作業の効率化のために教員が用意します。描きやすいように少し大きめの枠を書いてあげておいたり、タイトルを入れるスペースを用意したりしましょう。子どもに枠を描かせてもよいです。最後に冊子にまとめるとよいでしょう。他の子どもたちの作品を読んで楽しみましょう。
最後に、5、6年生に適したまとめ方として、デジタルコンテンツを活用した方法を紹介します。デジタルコンテンツの活用にも慣れた高学年の児童にとって、その力を発揮する活動にもなります。また、保存性に優れた媒体に記録することは、6年生にとってよい思い出作りにもなるでしょう。
パソコンを使って月ごとの読書の記録をグラフにしたり、走った距離を富士登山にたとえたりと、努力したことを数値に表して振り返ると分かりやすく、自信にもなります。
またタブレット端末を使って、「鉄棒で逆上がりができた」「菜園で野菜の成長を観察した」「雲の動きを見て天気の変化がわかるようになった」など、学校の中で成長した足跡のある場所を撮影し、写真に吹き出しをつけてできごとなどを記入します。印刷してフォトブックにしたり、パワーポイントにして自分なりのストーリーを作り保存したりしてもよいでしょう。
卒業していく6年生には、友達同士で「○○さんは○○がすごい」など何かのテーマにもとづいて語ってもらい、音声付き動画で記録を残すこともおすすめです。編集作業なども子どもたちでやってみましょう。
いずれの方法でも、「成長を振り返り明日につなげる」というねらいから外れることのないようにしましょう。