現在若者の間では、「摂食障害」や「孤食」といった食に関する問題があげられています。将来、このような問題に関わることがないように、生徒が持つ食に関する知識を見直し、食事の価値を知ってほしいと考えました。授業では最初に具体的な事例を示し、この食生活は正しいのかをグループで検討、発表させました。
その際、根拠をあげて「正しい」「間違っている」が言えるようにと指示しました。しかし、根拠をあげることは、生徒たちの断片的な知識だけでは難しいと感じ、各グループにタブレットを与え、ネットで調べることも可能にしました。
「おなかがすいたら食べる」に対しては、次のような意見が見られました。
「10分以内で済ませる」に対しては、次のような意見が見られました。
このように、科学的な根拠を探ることにより、自分たちが持っていた今までの知識の危うさにも気づいたようです。とくに、「食事はコミュニケーションの一つである」のように、改めて食事の価値について見直した生徒も多く、ノートには次のような記述も見られました。
具体的な事例をもとに調べ学習をすすめることによって、既存の認識を改めるとともに、自分の食生活への振り返りにもつながる学習となりました。また、食事には栄養を摂取するだけでなく、コミュニケーションを育む役割があることも認識することによって、豊かな食生活を創るという姿勢にもつながっていきます。さらに、保健のねらいでもある健康な生活を求めて実践してくれると実感しています。