木枯らし1号も吹き、秋から冬へと季節の変化を感じる頃となりました。今年の読書週間の標語は「いざ、読書」でした。子どもたちは“読書の秋”を満喫できたでしょうか。
今回は、進みゆく季節の変化を文字の世界で味わいませんかという提案です。
まずは低学年から楽しめる絵本を紹介します。
●『とべ バッタ』 田島 征三/作 偕成社
おびえながら生きていたバッタが、自分は羽を持っていることに気づき、荒れ地を越えて行きたい方に飛んでいく姿に、子どもたちは勇気をもつに違いありません。
●『つきよの3びき』 たかどのほうこ/作 岡本 順/絵 童心社
お母さんにしかられて夜の公園でぷーっとふくれている3びきの動物たち。お母さんの悪口を言ったり思いっきり遊んだりと元気でしたが、「おかえんなさい」とお月さまに声をかけられて…。
次の2冊は、ちょっと読み応えのある中高学年向きの物語です。
●『べんり屋、寺岡の冬。』 中山 聖子/作 文研出版
気が弱くてペットホテルに泊まれないハナゾウ(犬)を預かったり、年賀状の宛名書きといった仕事まで舞い込む、「べんり屋」が舞台の人情味あふれる物語です。春、夏、秋、冬と四季をめぐるシリーズの一冊です。
●『月は、ぼくの友だち』 ナタリー・バビット/作 こだまともこ/訳 評論社
月を見るのが大好きで、天文学者になる夢をもつ12歳の少年。祖母のけがのために預けられた町で億万長者に見込まれ、養子になって工場を継いで欲しいと言われます。さてどうするでしょう。
最後にノンフィクションを紹介します。
●『プラネタリウム 秋の星空案内』
野崎洋子/文 中西 昭雄/写真 アリス館
夕暮れの里の風景から、山の上に出た月、やがて星の世界へと美しい写真でいざなってくれます。「秋の四辺形」を基点に、星座の見つけ方もわかりやすく書かれています。
●『いきもの歳時記 冬』 古舘綾子/文 舘あきら 他/写真 小林絵里子/絵
童心社
3年生から「俳句に親しむ」という単元が国語に加わりました。歳時記とは、俳句の季語を集めた本で、鰤(ブリ)、鰰(ハタハタ)、兎(ウサギ)、狼(オオカミ)…どれも冬の季語です。豊富な写真と解説で、季節感を満喫できます。
まだまだあります。図書館をのぞいてみてください。