「生徒にとって興味・関心が高いダンスイベント型の授業を行いたい」。
私の前任校である東京都港区御成門中学校(以下、御成門中学校)のPTAからでてきた学校に対する提案でした。ただ、この提案は突如あらわれたわけではありません。御成門中学校は平成22・23年に、東京都教育委員会の取組である「外部指導員を活用する『武道・ダンス』」のモデル校となりました。生徒たちはモデル校になる前まで、女子のみが授業でダンスを行ったり、男女別でダンスをしたりしていました。しかし、モデル校になったことをきっかけに、男女共習がスタートしました。理由としては、学習指導要領にダンスは「コミュニケーションを豊かにすることを重視する運動」と示され、性差や能力差を越えた学習ができる可能性があると考えたからです。生徒たちは考えた通り、ダンスの特性や魅力に触れることで、男女関係なくダンスを楽しみながら、コミュニケーション能力を高めていきました。そして、モデル校をスタートして3年目の年に、生徒たちは運動会の演技種目を組体操からダンスに変えたいと訴えました。その訴えを受け、男女で3学年縦割りのダンス演技がスタートしました。ダンスを学ぶことによって大きく成長していく彼らの姿は家庭や地域から大きな反響を呼び、冒頭のPTAの提案が出てきました。ちなみに生徒たちが立ち上げた運動会のダンスは、未だに伝統として御成門中学校で続いています。このような背景のもと、PTAからの訴えを受け、PTAと連携したダンスイベント型の授業づくりがスタートしました。
PTAとの話合いで見いだされた方向性は、以下の3つでした。
以上のことを踏まえ、第3学年の3月にダンスイベント型の授業を行うことになりました。そして以下のようなプランができあがりました。
次回は、「ダンスイベント型授業の実際」を紹介します。