これからの学びでは、「何を教えるか」と同時に「どのように学ぶか」が重視されてきます。
文部科学省は、中央教育審議会特別部会に示した「審議のまとめ」(案)において、「各教科の特質に応じ「アクティブ・ラーニング」(主体的・対話的で深い学び)の視点から授業改善を」と記しています。そして、
【主体的な学び】の例として「学ぶことに興味や関心を持ち、毎時間、見通しを持って粘り強く取り組むとともに、自らの学習をまとめ振り返り、次の学習につなげる」
【対話的な学び】の例として、「子供同士の対話に加え、子供と教員、子供と地域の人、本を通して本の作者などとの対話を図る」
【深い学び】の例として、「事象の中から自ら問いを見いだし、課題の追究、課題の解決を行う探究の過程に取り組む」
などをあげています。子どもたちの興味関心を高め、「なぜ?」という疑問の掘り起こしが大切になってきます。
3年生になると卒業論文に取り組んでいる高校があります。今までの論文のテーマを見せてもらいましたが、多彩で深くて大学の卒業論文かと思えるほどでした。「朝、家を出てから学校に着くまでの間にテーマとなるヒントはたくさんある」というところから論文指導はスタートするとのこと。回りを見る意識の変化が疑問を持たせるのだと思いました。
小学生の「なぜ?」の掘り起こしにも同じことがいえるでしょう。
CREDUON 7月①号で紹介した本『調べ学習ナビ』(理論社刊)には、日常生活の中の疑問が多数取り上げられています。「高いところはどうして寒いの?」「ラーメンを食べるとどうして鼻水がでるの?」「お風呂の鏡がくもるのはなぜ?」などです。最初はこのような「なぜ?」を紹介して、次に「みんなも探してみよう」と働きかければ、子どもたちは次々と見つけることでしょう。短冊型の紙に、この「見つけたなぜ?」を書かせて黒板に貼り、みんなで読み合いながら分類・整理します。高学年であれば、付箋紙を使って、机上で整理するのも効率的です。
学習の流れを整理してみましょう。
①疑問をもつ…ひとりで グループで 全体で etc
②発表する…他の人のなぜを知る 共有する
③整理する…内容による仲間分け付け足す
④課題を決める…ひとりで グループで
⑤課題を解決する…図書館資料 新聞 インタビュー インターネット etc
③から①に戻ることもあります。
次号では、⑤の課題を解決する資料として、さまざまなデジタルコンテンツを紹介します。
東京学芸大学デジ読評価プロジェクト特命教授
對崎奈美子
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