Vol.180よりよい学級づくりに向けた、5月の学級経営のポイント

2024.04

 4月に新年度がはじまり、先生も児童もあっという間の1ヶ月を過ごします。そして、ゴールデンウイークという長い休みを過ごしてきた後、5月を迎えます。5月になると、それまで緊張感のあった児童たちも、徐々に自然な様子を見せるようになり、新しい学級での人間関係も出来てきます。しかし、新しい学級や環境に慣れることが難しい児童も見られ、児童の様子を注意深く観察しなければいけない時期でもあります。そこで今回は、これから1年間過ごす学級をよりよい学級にするために、5月に意識したい学級経営のポイントをお示しします。

(1)児童の変化を見取って対応しよう!

 5月に限らず、先生は児童の様子を注意して観察されていると思います。その中でも、5月は特に、児童の様子の変化にアンテナを高くしておく必要があります。それは、新しい学級での人間関係に悩んでいる児童や、長い休みの後で学校に行きづらい児童がいるかもしれないからです。また、そういった悩みを抱え続けることで、登校をしぶることにもつながるからです。そういった児童の悩みに気付くために、様子の観察だけではなく、「元気に登校できているか」や「休み時間はどのように過ごしているか」といったアンケートを実施することもおすすめです。アンケート結果に応じて、児童と面談をしたり、家庭と連絡を取り合ったりすることができます。児童と悩みを共有することで、担任の先生と児童との信頼関係づくりにもつながり、悩みの解消に一緒に取り組むこともできるでしょう。

(2)児童に必要な習慣を定着させよう!

 学校生活に必要な習慣とはどのようなことでしょうか。例えば、校内の決まり、授業中のルール、毎日の持ち物、宿題、…他にも多数あると思いますが、これらは全て必要な習慣と言えるでしょう。上記のような習慣について、4月当初に児童に伝えたり確認したりしていると思います。しかし5月になり、長い休みをはさんだことや緊張感が無くなってきたことで、そういった習慣が抜けてしまうことがあります。これは児童だけでなく、担任の先生側にも言えます。多少時間はかかりますが、授業中のルールの確認や持ち物チェック、宿題の提出の確認などを丁寧に行い、児童へ必要な声かけをしていくことが大事になります。必要な習慣をまとめ、掲示しておくこともよいと思います。5月のうちに、よりよい習慣を定着させることで、今後の学級の土台になるでしょう。

 今回は、早期発見・早期対応と、必要な習慣の定着の2点についてお示ししました。5月のように、年度の早い段階で丁寧な指導や支援をしていくことが、今後の学級をよりよくしていくことにつながると思います。

さいたま市立日進北小学校
作田 丞
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