Vol.202あなたもできる「カリキュラム・マネジメント」

2026.03

 子どもたちの学びを豊かにするために、教員が取り組むべきことのひとつが、「カリキュラム・マネジメント」です。カリキュラム・マネジメントとは、「各学校が学校の教育目標をよりよく達成するために、組織としてカリキュラムを創り、動かし、変えていく、継続的かつ発展的な、課題解決の営み」のことです。(1)
 そう聞くと、「管理職が行う」「教務主任が行う」「一部の人たちがやるもので、若手教員には関係ない」と考える人もいるでしょう。でも、若手や新任の先生にも、カリキュラム・マネジメントを行うことは可能です。
 そもそも、カリキュラムとは何でしょう。教育計画のこと、学習指導要領のことだけを指すのでしょうか。実は、カリキュラムとは「子どもの学びの総体」を指します。(2)
 カリキュラムは、「計画されたカリキュラム」「実施したカリキュラム」「学ばれたカリキュラム」の3つに分けることができます。「計画されたカリキュラム」は学習指導要領や教育計画、年間指導計画のこと、「実施したカリキュラム」とは授業のこと、「学ばれたカリキュラム」とはこれまで児童生徒が経験してきた学びそのものを指します。
 このうち、「学ばれたカリキュラム」について注目してみましょう。

 私たちは通常、各教科の年間指導計画に則って授業をすすめています。その際、教師の意図や目的だけで授業を行ってはいないでしょうか。子どもたちの学びや経験は多様です。家庭や地域の実態、教師の意図しない言動等、授業以外にも様々な面から学んでいます。子ども達のそうした「学ばれたカリキュラム」を見取り、授業改善をしていく。これもカリキュラム・マネジメントにあたります。
 例えば、「今日の算数では理解が不十分だったから、予定を変更して、次回は問題練習をして習熟を深めよう」と考えたとしましょう。このように、子ども達の実態を把握して柔軟に授業計画を変更していくこともカリキュラム・マネジメントなのです。文部科学省が提唱している「指導と評価の一体化」にもつながりますし、これならできると思いませんか。
 私の勤務校は愛鳥推進校で、毎年、鳥の観察をしています。その観察を理科や社会、総合、安全教育等とつなげ、教科等横断的に学習したり、前年度の取り組みを活かして次年度の計画を考えたりします。このように、カリキュラム・マネジメントはどの教員にもできることです。

 若手教員の方たちも、積極的にカリキュラム・マネジメントをしていきましょう。経験を重ねていったら、学年や学校全体で「学ばれたカリキュラム」の範囲を広げ、教科や学年、学校全体でカリキュラムを大きくマネジメントしていく。それが、子どもたちの学びを広げたり深めたりすることにつながります。ぜひ前向きに取り組み、子どもたちの学びを豊かにしていきましょう。

福生市立福生第五小学校
荒井 一聴
【参考文献】
1 田村知子『実践・カリキュラムマネジメント』ぎょうせい、2011年
2 原田信之『カリキュラム・マネジメントと授業の質保障』北大路書房、2018年
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