Vol.067家庭科の授業におけるアクティブ・ラーニング①
「分からない」を知る

 子どもたちが、自分の生活をよりよくしようと思うためには何が重要なのか。それは、自分の現状を理解することだと考えます。自分が今どれくらいできるのか、何が分かっていないのか、どこに不便を感じているか、これらを意識することが生活をよりよくしていくことの一歩です。

 この子どもたちの「分からない」をひきだす授業として、5年生「みそ汁を作ってみよう」の実践の導入を紹介します。

 子どもたちにとって、みそ汁は普段食べていることもあり、とても身近に感じる料理です。そのため、学習前から作ることに対して自信をもっている子どもも多いです。

 そこで、みそ汁の作り方について何を理解していて、何が分からないのかを明らかにするため、子どもたちは普段の生活を思い起こして手順を書き出してみることにしました。すると、断片的にしか覚えていなかったり、お湯にみそを溶かせば完成すると思っていたりする子も多くいることが明らかになりました。子どもたちからも、「おたまでみそを溶かしているのは覚えているけど、他はよく分からない」などの声があがっており、当たり前のように飲んでいたみそ汁も自分で書き出してみると分からない点があることに気付くことができました。

 その後、子どもたちが自分で書き出した作り方をもとに、班でみそ汁の作り方を予想し、試し調理を行いました。調理の際には、「うちのお母さんは、こうやって作っていたよ」「みそを入れた後は、沸騰させちゃいけないって聞いたことがあるけと、本当なのかな?」など自分の経験と照らし合わせてすすめていったり、「具材はいつ入れるのだろう?」「煮干しを何匹入れるの?」などと話し合ったりしながら作っていく姿が見られました。

 完成後、各班の作ったみそ汁を全員で飲み比べを行いました。班によって材料は同じでも味に違いがあることに気づき、なぜ味が違うのかの予想をたてたところ、「みその量が違うから」「煮干しの量が違うから」などがあがりました。また、みその量は同じでも、味の濃さに違いがあり、子どもたちは不思議に感じている様子でした。

 このように、子どもたちの「分からない」を引き出して試してみることで、「みそ汁について知りたい!」という子どもたちの意欲を高め、出汁の役割や実の煮方といったみそ汁の学習につなげていくことができました。

東京学芸大学附属小金井小学校教諭 西岡里奈
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