特別支援学校は、障がいのある子どもたちが通う学校です。一人一人に応じた個別の指導計画があり、「○○ができるようになりたい」など目標もみんな違います。障がいがある、なしに関わらず、みんなで勉強する場ももちろん大事です。ですが今日は、私が好きな特別支援学校で行われている授業について紹介します。 みなさん、「生活単元学習」は知っていますか。特別支援学校学習指導要領解説の各教科等編(小学部・中学部)によると、「生活単元学習は、児童生徒が生活上の目標を達成したり、課題を解決したりするために、一連の活動を組織的・体系的に経験することによって、自立や社会参加のために必要な事柄を実際的・総合的に学習するものである」と明記されています。
もう少し詳しく説明したいと思います。「修学旅行」に向けての学習を生活単元学習の時間を使って学習をするとしたら、みなさんはどんな内容を扱いますか。あくまでも例ですが、社会科と理科の要素を取り入れて、日本地図を用意して修学旅行先の目的地を探して、特産品も調べたり、目的地の天気・気温を調べて服装を考えたりします。あとは、旅行と言えばお土産が楽しみな子どもたちが多いです。決められたお小遣いの中からお土産を買う学習をします。硬貨ばかりにお財布がならないように、算数科の要素を取り入れたり、店員さんとのやりとりや、誰に何のお土産を買うのかをメモしたりする学習で国語科の要素も取り入れることができます。その他にも、お風呂の入り方、食事のマナー、公共のマナー、着替え、クラス行動の時間では、自分の行きたい場所ばかりに行けるとも限らないので、自立活動も活用して、人間関係の形成も扱ったりします。他にも1つの行事で、たくさんのことを学ぶ機会になります。
子どもたちの実態に合わせて、授業を考える良さであったり、経験を通して学べることであったり、生活単元学習は魔法の授業だと思います。1回も経験したことがないことを行うのは、障がいがある、なしに関わらず不安ですよね。私も緊張します。でも、一度でも経験したことであれば自信につながったり、難しかった部分は友達や周りの人に手伝ってもらおうと思ったりするようになります。生活単元学習をはじめ、特別支援学校でたくさんの経験をして、その経験が子どもたちにとって、社会にでたときの自信、宝物になってくれていればと願い、私は今日も授業を考えています。