学習に取り組む態度は、思考力・判断力・表現力を高めるために欠かせない一つの重要な要素です。特別支援学校学習指導要領解説編には、障害のある児童・生徒について「思考力・判断力・表現力等の育成を重視した教育を行うことが必要であり、児童・生徒がこれらを支える知的好奇心や探究心をもって主体的に学習に取り組む態度を養うことは極めて重要である」と学習に取り組む態度の重要性が示されています。
私は、日々の授業実践において、特別支援教育の観点から障害特性に応じた支援を行っている現状ではありますが、中には授業参加に困難さがある児童・生徒も在籍しています。
そこで、授業参加に困難さがある児童・生徒の支援について、一人一人の事情に即した指導方法を活用して、課題に取り組みたくなる支援の工夫を次の2つの事例から紹介します。
先のイラストで提示したような支援内容を、まずは通級指導教室で実践し、そこで身に付けた力を在籍学級で活用することができること、そして日々の日常生活へと拡張し、般化できて初めて教育効果が発揮されたと言えます。そのためには、学校が一つの組織として、教員一人一人が特別支援教育の意識をもつ必要があると考えます。
現代の学校教育において、特別支援教育を要する児童のみならず全ての児童へ分かる授業を展開できるよう「障害者差別解消法」に基づく合理的配慮の提供及びUD(ユニバーサルデザイン)を考慮した学級経営や学習指導等の職務遂行が全ての教員に求められます。
効果的な連携には、児童・生徒一人一人の実態に応じるべく管理職及び特別支援教育を主として担当する教員が中心となって全体の舵を取り、学校組織としてそれぞれの立場から専門性を発揮することが大切なのです。