「主体的・対話的で深い学び」という視点で授業改善を行うために、3つの柱を立てて整理してみました。
【そもそも主体とは・・・】
主体の語源をたどると、「Subject(英語)」「Subjekt(ドイツ語)」「Sujet(フランス語)」に行き着きます。これらは「主観」や「主体」を表す言葉です。さらに3つの言葉の由来を調べると、ラテン語のsubiectum に由来し、ギリシャ語のhypokeimenonへとルーツを辿ることができます。けれども、この言葉には「主観」や「主体」の意味はなく、物の性質や状態、変化の基礎をなしていることを表す「基体」となります。
「基体」が「主体」へと繋がるには、デカルト(Rene Descartes 1596-1650)やカント(Immanuel Kant 1724-1804)といった哲学者の思想が大きく関わり、近代になりその意味が人間の認識や行為の側に移されました。行為とは意識的に行われる行動です。その意味において、主体とは、その行動の起点にあたると言うことができます。さらに、行為には終わりがあり、その行為の終点が客体となります。飯島は「客体のないところで主体は主体となりえず、主体は客体との関係においてはじめて主体となる」(飯島 1992)と言っています。
【主体的な学びとは・・・】
次に、「主体的」とは何でしょうか。「的」には狙ったり目指したりする対象」という意味があります。このことから、主体的は主体が客体に進んで働きかけるさまであると捉えることができます。さらに、このことを学習場面に当てはめると、学習者が課題に向かって働きかけるさまと捉えることができます。すなわち、この過程こそが「主体的に学ぶ」ということだと考えることができます。
しかし、ジョン・デューイ(John Dewey 1859 -1952)は「均衡が保たれているときには主体-客体は存在せず、均衡が破れた瞬間に主体-客体が現れ、主体的になる。」(Dewey,J. 1899)といいます。この意味において、子どもたちが主体的に学ぶかは、「均衡を破る課題」に委ねられていると言えます。全ての子どもが主体的になれる「課題」を教師が提示することが、はたしてできるのでしょうか。そのためには、どのような環境を用意すれば良いでしょうか。
【環境による教育とは・・・】
教育における環境とは、子どもが主人公として自由に振る舞いつつ、自立の土台となる機能を完成できるように整えられた状況のことです。
本当の意味での「主体的な学び」とは、子どもたち一人ひとりが環境の中で見つけた疑問や課題を追究し続けていく中に見られるものなのではないでしょうか。そうであるならば、私たち教師は、環境を整える努力をし続けなければいけないと思います。