2013年9月、IOC総会で「TOKYO 2020」が決定した瞬間から、ボランティアとして活動したい、と心に決めていました。この世界の中で、今ここで生きていることを「ともに」感じたいと思ったからです。そして、2019年春から研修が始まり、新型コロナのために1年延期となりましたが、私はフィールドキャストとして、トライアスロン練習会場の担当になることができました。
場所は台東区のスポーツ施設(50mプールと陸上競技場)。我々ボランティア(ボラ) は、選手村からバスで会場入りする選手を迎え、練習コースまでの誘導、タイマーや飲み物などの用意をします。選手たちからの要望を受けられるようにプールサイドで待機することも役割の一つです。早朝と夕刻の1日2回、3便ずつの予約制でした。
初日は会場準備。組織委員会のチーフ3名とボラ7名。顔合わせをしただけで、すぐに活動に入りました。チーフからの「この倉庫の物品をプールサイドに運びましょう」という言葉で、みなさん手際よくかつ和やかな雰囲気で動き始めました。それは選手を迎えた場面の役割分担も同じく滑らかに進んでいきました。私は少し驚きつつ、仲間と共に活動している心地よさを感じました。選手との交流はコロナ禍のためにかないませんでしたが、あいさつやジェスチャーでボラからの歓迎の気持ちを伝えることはできたと思います。
あっという間に大会期間を終え、やっと一同が顔を合わせることができました。メンバー構成はトライアスロン経験者と近隣の方々でした。それぞれに「TOKYO2020」に寄せてきた想い、トライアスロンにかける情熱などを聞き合いました。私は、「選手のみなさんに気持ちよく練習してもらいたい」という同じ願いをもった人たちが集い、それぞれに責任をもって役割を分担していると、お互いの経験や人柄がにじみ出てきて、ものごとがうまく動いていくということを体感できた、と話しました。この時間の共有によって、チームとしての一体感をじんわりと深めることができました。
私が受け持っている子どもたちは、まさにグローバルな時代を生きていくことになります。世界中の初めて出会う人たちと交流したり仕事をしたりすることもあると思います。そのような場面でも、自分ができることは何かを考え、動いてみること、それが相手とともにうまく機能していくと、自然と自分らしさが出てきて、その先にわくわくするような新しい発見があるよ、ということを日々伝えていきたいです。