「伊東先生、この本、いつ読むんですか?」
昨年、異動したときに、私の蔵書を見た同僚が、話しかけてきてくれた言葉です。私は、教室に教育関係の本を少し置いています。自分としてはそんなに多いとは思わないのですが、同僚から見ると多いようです。冒頭の同僚の言葉で、私が印象的だったのは「いつ」というところです。「本をたくさんお持ちですね」「本をよく読むんですね」ではなく「いつ読むんですか?」というところが、今の教員の勤務実態を表していることは間違いないと思いました。
「本を読みましょう」と呼びかける教師自身は、どのように本に接しているでしょうか。図書室で、本の世界に浸っている児童生徒の横で、採点や事務仕事をしなければならない現実があります。
書物から学ぶことは、教員に限らず、自分の世界を広げ、仕事の質にも大きく影響することは、明らかです。本を読む、本で調べる、実践記録から過去の実践に触れる……それより明日の授業を準備し、なるべく成績事務を「前倒し」して始めた方が「計画的」に仕事が出来る、それもその通りです。その「計画的」な教育活動の中で、予想外の発見や驚きからの学びはどう扱われるのでしょうか。自分の「計画」の中にはないものを取り入れる経験として、自分の世界を広げる契機として、先達の実践を謙虚に学ぶ入り口として、教員が本から学ぶことは大いに意義あることと思います。教師の学び・校内研究に関わる書籍を3冊ご紹介します。
今回、自分が本を紹介することで、1冊の本が世に出るのは、いろいろな人の熱い思いがあることも分かりました。本からの学び、オススメです。